...作左衛門密かに家康に訴へて之を営救せしなりとぞ...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...真一の屍体は納棺して密かに火葬場へ送って焼いた...
海野十三 「三人の双生児」
...ありきたりの密かな罪人(つみびと)としてであったのだ...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...これより密かに都へ立ち越え...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...密かにその神へ歎願した...
萩原朔太郎 「宿命」
...密かに難波殿を拐(かどわ)かし...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...楽しむ前におっ死(ち)んじゃ、何が宝じゃい」一行はひどく悲しみに打ちひしがれていたので、ラリの変な理屈に無反応だったが、バラドスだけは恋敵(こいがたき)がいなくなると同時に、財宝を手にする唯一の権利者として、密かに喜んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...密かになぐさめていた...
水上滝太郎 「九月一日」
...玄蕃が密かにニタリとした時...
吉川英治 「剣難女難」
...自分が密かに説いて廻った諸国諸山の宮方お味方の幾多の名を...
吉川英治 「私本太平記」
...密かに禁中へ罷(まか)り...
吉川英治 「私本太平記」
...――でも、死を賭して、今まで頑張っていたが、やがて鷺山(さぎやま)一円では、密かに、出兵の備えらしく、凡(ただ)ならぬ様子が見えたに依って、御城下に火の手が揚っては、もはや大事と、駒を急がせて、戻って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...これでも心中決して安心はしていず、密かに、神行太保(しんこうたいほう)の戴宗(たいそう)に耳打ちして、二人の出立後、華州へ放った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...密かに助け落したということにし...
吉川英治 「随筆 新平家」
...密かに尼院を出て...
吉川英治 「源頼朝」
...と密かに称(たた)えているのです...
吉川英治 「源頼朝」
...――人間とすれば、仙人か、他国の隠密か、谷へとび込んで死のうと考えている奴か...
吉川英治 「宮本武蔵」
...密かに覗いたりした...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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