...達雄は急にシュウベルトの「シルヴィアに寄する歌」を弾きはじめるのです...
芥川龍之介 「或恋愛小説」
...地中海の荒波寄するあたりまで...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...浜辺に寄する女波男波のさゝやきも...
石川三四郎 「土民生活」
...逆巻き寄する海の牙(きば)に...
泉鏡花 「海異記」
...而してこの四山に舟を寄するうちには...
大町桂月 「金華山」
...泉石(せんせき)に魂入りし時雨かな天地(あめつち)の間にほろと時雨かな十一月二十二日 長泰寺に於ける花蓑追悼会に句を寄す...
高浜虚子 「六百句」
...村会の夜の集合!噫(ああ)! 一語以て後日(ごじつ)に寄す」と書いた...
田山花袋 「田舎教師」
...備中の山中にある芳子の父母に寄する手紙を熱心に書いた...
田山花袋 「蒲団」
...滔々として漲りて勢猛く寄する水...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...雷雲寄するクロニオーン眞先にうめる*ダルダノス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...都大路の花のかげ白雲深き鄙の里白波寄する荒磯邊...
土井晩翠 「天地有情」
...岡鬼太郎君新作狂言今様薩摩歌の批評を草して雑誌新演藝に寄す...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...退く浪と寄する浪の間にウィリアムとシーワルドがはたと行き逢う...
夏目漱石 「幻影の盾」
...此作を地下に寄するのが或は恰好(かっこう)かも知れぬ...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』中篇自序」
...裏に略図を書いたものを封筒に入れて寄すのであつた...
牧野信一 「奇友往来」
...途上にて出遇ひたるといふ余の母の言伝を寄す――生母の病気見舞に二旬以来滞京中のS女(妻)は明夕帰宅の由...
牧野信一 「五月のはじめ」
...持ち切れないでジャッキーと妾を迎へにまで寄すなんて……」と詰め寄つた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...いずれはここへ寄する北条遺臣どもの刃(やいば)にお伏しあらんよりは...
吉川英治 「私本太平記」
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