...深夜沈々寂然として物の音もせぬ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...世間一体も寂然と眠に入った...
伊藤左千夫 「浜菊」
...湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛(たた)えている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...このくらい寂然としておりますと...
上村松園 「女の話・花の話」
...内には寂然として聲なし...
高山樗牛 「瀧口入道」
...身動きをすることすらが今のこの寂然とした美しい幻影を冒涜(ぼうとく)するような気持がして...
橘外男 「逗子物語」
...父はそれに向い合って寂然と端坐していた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...寂然として独死する――これも東洋的...
種田山頭火 「行乞記」
......
アルフレッド・テニソン 坪内逍遙訳 「シャロットの妖姫」
...――お柳とあの女との物柔かな声……蒼白い顔……頬の線……鼻そのものが宿す深い影……冷たく輝く愛情の窓である眼……額(ひたい)……これらの相似はこの世にあり得る暗合であるかも知れない……しかしその表情?――彼はいま寂然としている自分の心へ言いかけてみた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...其処の四辻は寂然としていた...
豊島与志雄 「群集」
...街路は寂然としていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そこに一面の池が寂然と横たわる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...主人萬兵衞の死骸は屏風の中に寂然と横たはつたまゝで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家の内部は寂然として...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...家の中はやはり寂然としていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...寂然と腕(うで)拱(こまぬ)いたまま...
吉川英治 「剣難女難」
...あの寂然と坐しあるいはたたずむ仏菩薩が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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