...白晝も寂然として居て谺をするか...
泉鏡花 「遺稿」
...湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛(たた)えている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...ゆれはしないかと中央の大きな柱を見ると大船の帆柱よりも大きいのが寂然として立つて居る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...神棚の下に寂然として坐つてゐる増田の後ろ姿...
高濱虚子 「俳諧師」
...内には寂然として人なきが如く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...身動きをすることすらが今のこの寂然とした美しい幻影を冒涜(ぼうとく)するような気持がして...
橘外男 「逗子物語」
...有難いと思うか? 思うなら返辞をしろ」首はそれでも寂然として石の如く黙っていたが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...されば市長となりて以來氏が殆ど寂然として聞ゆるなきに至りしもの...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...街路は寂然としていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...昔ながらの石仏のやうに寂然と扶坐(ふざ)してゐる...
中勘助 「銀の匙」
...日脚が高くなっても戸足は寂然として動かないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこに一面の池が寂然と横たわる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...寂然として安置されている...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...平次は眼をつぶって寂然と腕を拱ぬいているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ラ・メデュウズが白い波頭に巻かれながら寂然としずまっているのが見えた...
久生十蘭 「海難記」
...黒松に浸み入った山気をひとり吸いとって寂然と静かなのが...
横光利一 「旅愁」
...寂然と腕(うで)拱(こまぬ)いたまま...
吉川英治 「剣難女難」
...独り寂然と坐っておられた...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??