...障子襖(しょうじふすま)もほどよく寂びのついた...
芥川龍之介 「疑惑」
...華やかに寂び澄ました声である...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...年の市(いち)に線香を買ひに出るのは物寂びたとは云ふものの...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...その当時寂びれていた鼓楼大街の如きは忽ち繁華の街となった程である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...神寂びた余りの冷たさはなく...
岩本素白 「六日月」
...『逃げ出そう!』荒れ寂びた海辺...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...木目の寂びてあらわなる上に...
中井正一 「壁」
...外見は凡そ佐渡ほど寂びた所は少なからう...
長塚節 「佐渡が島」
...土地のさまはどうしても以前の能褒野を其儘現在に見るやうでいたくも秋寂びて居る...
長塚節 「松蟲草」
...そして妙に寂びしい声だ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...うら寂びた中の艶(なま)めかしさです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おのずからまた内容の沁々とした心の咏嘆(寂びしおり)を表出している...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...物寂びた古池に魚の死體が浮いてるやうな...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...雨風に打たれながら老い寂びて高く聳える樹の姿を想ひ浮べた...
原民喜 「蠅」
...もの寂びた森のそばを過ぎて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...而かも寂びてゐた...
若山牧水 「木枯紀行」
...一層物寂びた眺めをしてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...年代も餘程古寂びてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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