...障子襖(しょうじふすま)もほどよく寂びのついた...
芥川龍之介 「疑惑」
...ただこの古池に臨んだ茶室だけは昔よりも一層もの寂びている...
芥川龍之介 「本所両国」
...神寂びた余りの冷たさはなく...
岩本素白 「六日月」
...神寂びし篠懸(すゞかけ)よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...莫愁湖の畔にもの寂びた堂があり...
上村松園 「中支遊記」
...面にこもつて出てくるあの一種の音声がしづかに物寂びて...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...寂びしおりを理想とするということは...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...木目の寂びてあらわなる上に...
中井正一 「壁」
...寂びの意味があるといえよう...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...佐渡は到る所が物寂びて居るが此の漁村はまた格別である...
長塚節 「佐渡が島」
...大まかに寂び廃れた趣きよし...
宮本百合子 「金色の秋の暮」
...ロアル河の明媚な景勝と市街の上に崛起(くつき)して居るカテドラルの物寂びた十三世紀の古塔とである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...老人の乞食が附近の物寂びた家の階段に腰を据ゑて帽を静(しづか)に差出すのも煩(うるさ)くなかつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...この寂び古びた壜や箱の藥品が私には常に氣になつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...年代も餘程古寂びてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その寂びた靜かな音いろはともすると佛法僧といふ發音や文字づらと關聯して考へられがちであつたのだ...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...この山上の古沼を一層物寂びたものにしてゐるのであつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...それより遥に寂びのある山の鳥の声である...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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