...山村の夜はとりわけ寂しく靜かであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...四五台朦朧(もうろう)と寂しく並んだ車の中から...
泉鏡花 「歌行燈」
...お君の寂しく莞爾(にっこり)した時...
泉鏡花 「縁結び」
...坂下の道をへだてゝ谷川が寂しく遠く流れてゐた...
今井邦子 「伊那紀行」
...此の寂しく廃(すた)れたような心持を...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...お増は寂しくてしようがなかった...
徳田秋声 「爛」
...京子ちやんも寂しくなるね...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...寂しくみずからを守っているであろう...
中井正一 「脱出と回帰」
...やがて幽に聞える鐘の音が夏ながらいかにも寂しく...
永井荷風 「来訪者」
......
中島敦 「河馬」
...そのころの中尊寺は、寂しくて、そして美しかった...
野村胡堂 「胡堂百話」
...いよいよ益益寂しくなり...
萩原朔太郎 「宿命」
...彼を失ふことは私に寂しく味氣ない...
水野仙子 「道」
...一人で寂しく残っている...
水野葉舟 「帰途」
...そのために東宮にお目にかからないことを寂しく思っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...目的にして行った家は、何事も想像していたとおりで、人少なで、寂しくて、身にしむ思いのする家だった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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室生犀星 「愛の詩集」
...この北国の山間に寂しく煙を立てて幾許(いくばく)かの焼物を焼き続けているのは奇蹟である...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
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