...僕はそんなことを気にしない彼に同情よりもむしろ寂しさを感じた...
芥川龍之介 「彼 第二」
...(四年秋)三 去年の日記から1晝寢から醒めて寂しい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...暗い寂しい丸の内の電車道をとほつて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...もちろんその寂しい感じには...
徳田秋声 「蒼白い月」
...お島は男に別れる自分の寂しさを蹴散(けちら)すように...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼等の顔は蒼くて寂しくて...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...この手は昨日まで 寂しいから といって私にさしだしたそれにちがいない...
中勘助 「妹の死」
...ギリシャで初めて「内面的な寂しさが現われはじめる」といっている...
中井正一 「美学入門」
...潔癖で我儘なお坊つちやんで(この点は私とよく似てゐる)その癖寂しがりの...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...無限に遠き空の彼方續ける鐵路の柵の背後(うしろ)に一つの寂しき影は漂ふ...
萩原朔太郎 「氷島」
...唯先生が寂しく私の帰りを待つてゐらつしやるだらうと思つて...
松井須磨子 「忘れ難きことども」
...寂しさなら寂しさというものをそれをつっつきまわして追いはらおうとしている範囲に作者がいたから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どんなに寂しく思っていることであろうと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それが寂しいお住まいをなさることになりましてからはいつからともなく物思いをなさいますことになりましたのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...寂しい別荘はどこも皆真つ暗だつた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...そこに瞬時に巻き違う寂しさに似たものの淀みもたまって来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...そしてそれらの雲よりもなおはっきり白く落ちて居る大小の滝は平常の寂しい山を甚だ賑かにし柔かにして呉れた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...寂しい時に最もよく思い出されるのはこの友人であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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