...しかし勿論その代りにそこには彼の贖(あがな)はなければならぬ多少の寂しさはあつたことであらう...
芥川龍之介 「西方の人」
...その美しい本質が伴侶を見出し得なかつたための寂しさであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...こちらも向うを見つめて寂しい微笑をする...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いや人並以上に寂しいのだ...
種田山頭火 「行乞記」
...「お前も寂しいだろ...
徳田秋声 「縮図」
...今は寂しいことである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...二十一二の男に十六七の娘が更け渡る夜の寒さと寂しさとに...
永井荷風 「雪の日」
...「寂しいね……」と...
南部修太郎 「霧の夜に」
...寂しさを湛えた男だった...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...「何か寂しそうだったな...
堀辰雄 「菜穂子」
...しかし寂しい田舎は無力感が一層深まります」「一人ぼっちにしないよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...そしたらどんなに寂しいことだらう...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...ただ寂しげな微笑を浮べただけで...
牧野信一 「余話」
...芝公園の寂しい松原を抜けて一人で遠遊びに出た伊東は...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...寂しそうな表情をあそばして十三絃(げん)の琴を...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私は家へかえって寂しい日を送って行った...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...寂しく空を向いてはねている...
室生犀星 「とかげ」
...都会生活に揉まれて、一種の神経衰弱に陥った人間が、彼(か)の広い、寂しい、淀みなく流るる水を見ると、吸い込まれるような気持ちになるのは無理もないであろう...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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