...僕はそんなことを気にしない彼に同情よりもむしろ寂しさを感じた...
芥川龍之介 「彼 第二」
...寂しかつたよ――手紙もよこさないで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それらの静寂な物体の一群の中で...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...寂しい話では、片山夫人が良人(おっと)の留守中犬を相手に四十日も雪中斗満の一つ家に暮らし、四十日間に見た人間の顔とては唯アイヌが一人通りかゝりに寄ったと云う話...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...静寂な自然と素朴な人事とに接する喜びの大半は...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...寂然(じゃくねん)としている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寂しいことだと思っちゃ厭(いや)ですよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...波の合間合間の底知れぬ静寂さに吸ひ込まれさうな思ひで凝つと息を殺してゐた...
牧野信一 「まぼろし」
...この男の寂しがりの歌にあてられて...
牧野信一 「露路の友」
...折柄ひゞき来る蜩笛の寂しい音色は卅年を経た今日と雖も私は歴々と此を耳朶に蘇らすことができる...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...源氏はことさら寂しくて家に引きこもって暮らした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...可憐(かれん)な美しい姉妹(きょうだい)を寂しい家の中に御覧になる父宮が心苦しく思召さないわけもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...寂(さび)の味の豊かにある室内の飾りもおもしろく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今日は宇治へ行ってみようと薫の思う日の夕方の気持ちはまた寂しく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あのひとは大変寂しそうに見えるでしょう...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...然るに今日では海との縁が殆と絶えて唯寂寞たる門前町に變化して仕舞つたのです...
柳田國男 「潟に關する聯想」
...かうした靜寂な鏡のやうな水面に散らばつて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...店は無人のまま寂(じゃく)としていたので...
吉川英治 「江戸三国志」
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