...未醒(みせい)画伯は弟妹首を延ばして待っている郷家(きょうか)へ一夜の宿り...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...何しかも露の宿りき...
石川啄木 「詩」
...かならずその國一のホテルに宿り...
太宰治 「人物に就いて」
...―――あの時から彼女の眼差に哀愁の影が宿り始めて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...わが宿りたるは恰(あたか)も木曾川の流に沿ひて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...昨日(きのう)奈良(なら)より宇治に宿りて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...どこか雨宿りをと坂を上りつめた時分には...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしを大菩薩峠まで連れて行って下さい」みどりの眼には涙が宿ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日澁に宿りて、明日將さに草津に入らんとするなり...
長塚節 「草津行」
...奴隷の頭脳に雄大な理想の宿りようがない...
夏目漱石 「野分」
...ややともすると小六の口に宿りたがるものは...
夏目漱石 「門」
...「皆んなはどうした」「橋番所に頼んで雨宿りしていますよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...魂ひは生れる前すでに天上に存在した神的存在者が人間の身體に假りの宿りを求めたものに過ぎぬ故...
波多野精一 「時と永遠」
...男は懐中から笛を出して吹きながら合い間に『飛鳥井(あすかゐ)に宿りはすべし蔭(かげ)もよし』などと歌うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌(カルタ)仲間も「ホテル」に宿りて...
森鴎外 「舞姫」
...我々のと同じ形では神の中に宿りえないし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...雨宿りをしていてもしようがねえ...
山本周五郎 「花も刀も」
...しかれどもおさなかりけるうき人の俤(おもかげ)に似(に)し君(きみ)を見(み)てうらぶれわたるわれさへも西の京の去りかねてやれだいこ(烏水の家に宿りて)花なる人のこひしとて月に泣いたは夢なるものたて綻(ほころ)びしころも手に涙の痕のしるくともうき世にあさき我なれば君もさのみはとがめじ――花なる人の戀しとて月に泣いたはゆめなるもの――つらけれど...
横瀬夜雨 「花守」
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