...「彼は農家出身で、自家産地の野菜を売りに出かけている...
...劉の家産も亦とんとん拍子に傾いて...
芥川龍之介 「酒虫」
...蓬頭垢面(ほうとうくめん)、襤褸(らんる)を身に包み、妻子なく、家産なく、たゞ一ヶの大桶(おほをけ)をコロガシ歩いて、飄遊(へういう)風の如く、其処(そこ)の花蔭、此処(ここ)の樹下と、一夜一夜の宿りも定まらず...
石川啄木 「閑天地」
...祖先の地とその業務にかえる決意をしたので……半年間は家産の再検討に過ごした...
犬田卯 「瘤」
...大抵その家産を破ってしまう...
大隈重信 「選挙人に与う」
...菓子は吾が家産(かさん)なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...人形を愛するあまりには家産を蕩尽(とうじん)するのは愚か...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...手紙は簡(かん)でわからないけれど栄輔君の家産を蕩尽したことにも...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...郷里の家産が傾いたので...
豊島与志雄 「失われた半身」
...家産を失うと共に盲目になった...
永井荷風 「深川の唄」
...家産を蕩尽(とうじん)した後一生を旅寓に送った奇人である...
永井荷風 「向嶋」
...僕の持っている家産の半分を貰いたいと言出した...
永井荷風 「申訳」
...一昨日塾中に搗(つ)かせた餅もやはり全部陸稲の自家産である...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...家は数代の豪商にして家産今漸(ようや)くかたぶき...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...息子に家産を譲ってからも...
久生十蘭 「西林図」
...気力ようやく衰えて家産すでに尽くるに至れば放蕩変じて頑愚となり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...やや家産(かさん)の豊(ゆたか)なるを得て...
福沢諭吉 「旧藩情」
...その頃より男は家産再び傾(かたむ)き...
柳田国男 「遠野物語」
...祖父の死後秋三の父は莫大な家産を蕩尽して出奔した...
横光利一 「南北」
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