...江戸の筆工の家号をしるしたる名紙といふものを一枚の遺漏もなく集めたりしとぞ」(山崎美成(やまざきびせい))と云ふ程度の逸話ばかりである...
芥川龍之介 「僻見」
...尾張屋は関三の家号(いへな)なる事通じがたきや...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...此人※(そつは)なるゆゑ自(みづか)ら双坡楼(そつはろう)と家号(いへな)す...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...ゼイタク屋などと家号を唱え候者これ有るよう相聞え...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「新小説」が新進作家号を出すから...
牧野信一 「あやふやなこと」
...その絵を描いてゐる時のこと――私は七郎丸と称ふ漁家の家号がくゞり戸の障子に筆太に誌してあるその友達の家が撥釣瓶(はねつるべ)のある竹籔の傍らをまはつて突当りの凹地の日溜りに...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...そういう家号でありました」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それから娼家には殊に槌屋の家号多く...
南方熊楠 「十二支考」
...札場という家号の家があった...
柳田国男 「故郷七十年」
...後にその地に住んだ名主はまたその居住地名を家号にしたために...
柳田國男 「地名の研究」
...自分の家号を地名として陳家屯(ちんかとん)...
柳田國男 「地名の研究」
...その他の職業の者は夙(はや)くから家号を負うてどこへでも移住していた結果と解している...
柳田國男 「地名の研究」
...奠都(てんと)以前よりすでに住民の家号になっていた...
柳田國男 「地名の研究」
...今では代々この家号を伝えているけれども...
柳田國男 「名字の話」
...京都でも田舎でも一時に家号の増加したのはこの時である...
柳田國男 「名字の話」
...松平の御家号と諱字まで頂き...
山本周五郎 「山彦乙女」
...家号を書いた行灯に腰高障子...
山本笑月 「明治世相百話」
...彼(か)の夜の事を忘れぬように三五屋(さんごや)という家号で為替に組んで...
夢野久作 「名娼満月」
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