...その側に地面四百坪に家作の附いたところ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この娘にはあの国道の家作が二軒附いていて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...……家作もあるし……」などと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...武家作法だし――少しも...
直木三十五 「南国太平記」
...ツキ合イガハルカラ大迷惑――それが当然の成行きで、それから身のつまりになるのは、我も人も変ったことはない――「ソレカラ或晩、地主ノオマエサマガ忍ンデ来テ云ウニハ、孫一郎ガフシダラ故ニ、家内中ハ困ルカラ、支配向ヘ話シテ隠居サセテクレロト云ウカラ、取扱エモ咄(はな)シタラ、オマエ様ヨリ証拠ノ文ヲ取ッテ来イト云ウカラ、ソノ事ヲ咄シテ、文ヲ取ッテ、長坂三右衛門ヘ見セタラ、頭(かしら)ノ長井五右衛門ヘ始終ヲ咄シテ、支配カラ隠居シロト云ッテ出タカラ、孫一郎モ何トモ云ウコトガ出来ズニ隠居シタガ、後ノ孫一郎ハ十四ダカラ、ミンナオレガ世話ヲシテ、家督ノ時モ一緒ニ御城ヘ連レテ出タ、先孫一郎ハ隠居シテ江雪ト改メテ剃髪(ていはつ)シタ、ソレカラ家来ノコトモミダラニナッテイルカラ、家来ニ差図シテ、取締方万事口入レシテ取極メヲツケテヤッタラ、程ナク又々隠居ガ、岩瀬権右衛門トイウ男ヲ用人ニ入レテ、イロイロ悪法ヲカイテ、権右衛門ヘ給金弐拾両ニ弐拾俵五人扶持ヤッテ好キノコトヲシオルカラ、ウチジュウガ寄ッテ頼ム故ニ、頭沙汰ニシテ、権右衛門ヲ追出シテ、外ノ用人ヲ入レタ、ソノウチニ後ノ孫一郎ノオフクロガ死ヌ故、隠居ガマタマタモクロミヲシタカラ、ソノ時モ、ソノ一件ヲ片附ケテヤルシ、ソノ後、江雪ガ女郎ヲ引受ケ連レテ来タ時モ世話ヲシテ、柳島ヘ別宅ヲ拵エテヤッタ、ソレカラ一年バカリタッテ、江雪ガ大病故ニ、イロイロ世話ヲシタガ、ソノ時ニ、オレニ云ウニハ、今度ハ快気ハオボツカナイカラ、悴(せがれ)ノコトハ万端頼ムカラ、嫁ヲ取ラシテ後、御番入リスルマデハ必ズ見捨テズニ世話ヲシテクレト云ウカラ、聞届ケタト挨拶ヲシタカラ、悦ンデ翌日死ンダカラ、又々世話ヲシテ、残リ無ク後ヲ片附ケタガ、世間デ岡野ト云ウト、誰モ嫁ノ呉レテガ無イカラ、麻布市兵衛町ノ伊藤権之助ガ嫁ヲ貰ッテヤッタ、オマエ様ガ云ウニハ、何モ持ッテキテガナイカラ、何ニモイラヌト云ウカラ、権之助ヘオレガ掛合ッテ百両ノ持参デ、諸道具モ高相応ニシテ貰ッタカラ、知行所ノ百姓モキモヲツブシテ、私共二三年諸方ヘ頼ンデ奥様ノコトヲ骨ヲ折ッタガ、岡野ト聞クト皆々破談ニナリマシタガ、御蔭デ殿様初メ一同安心シテ悦ビマス、殊ニハ御持参金モアルシ有難イト云イオッタ、ソレ迄ハ千五百石デ道具ガ一ツ無クッテ、大小マデモ逢対(あいたい)ノ時ニ借リテ出ル位ダカラ、世間デ呉レナイモ尤(もっと)モダト思ッタ、ソレカラ普請ガ大破故、武州相州ノ百姓ヲ呼ビ出シテ、家作モ直シ、大勢ノ厄介ノ身上マデ拵エテヤッタ、当主ノ伯父ノ坊主デイタ仙之助ト云ウ男ニモ、地面内ヘ家作ヲシテ、妾(めかけ)マデ持タシテヤッタラ、家内ノ者ガオレヲ神様ノヨウニ云イオッタ、暮シ方モ百両故、三百三十両ノ暮シニシテ、厄介ヘモソレゾレ壱カ年アテガイヲ附ケテ稽古事デモ出来ル様ニシテ、馬迄買ワシ、千五百石ノ高位ニハ少シ過ギル位ニシテヤッタガ、何ヲイウニモ借金ガ五千両バカリアル故、コラエガ馬鹿ノ者ニハ出来ヌ」これはまた、神尾にとって少々耳――ではない、目が痛い...
中里介山 「大菩薩峠」
...叔父(をぢ)の賣(う)り拂(はら)つたと云(い)ふ地面(ぢめん)家作(かさく)に就(つ)いても...
夏目漱石 「門」
...地所家作が方々にあつた上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「岡崎屋の身上(しんしょう)は?」「私にはよく判りませんが、貸地家作、貸金がたいそうな額でまずざっと二万両――」「それは大したことだな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夥(おびたゞ)しい家作を持つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...地所や家作も相当で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは西國者の武家崩れで、十年程前夥しい金を持つて土地に流れ込み、地所も家作も、町年寄の株まで買つて、此處に住みついた五十年輩の男だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...地所や家作はわかつても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして家作(かさく)もいくらか疊むか貸すかしなくてはならない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...昔なつかしい家作りの...
堀辰雄 「爐邊」
...当地に自費移住するものには家作料を百両貸しあたえた...
本庄陸男 「石狩川」
...偶時(たま)にア亡くなツた人のことも思はないじやないけども正直(しやうじき)家作(かさく)でも少しあツたら...
三島霜川 「平民の娘」
...家作料三貫目被成下...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...地所と家作を専業にするようになった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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