...あなた様にお客来(きゃくらい)にござりまする...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...珍客来、川棚温泉のKさんが訪ねてきた、彼は好きな男だ、姿も心持も(彼は子供のやうに熟柿をよろこんだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...そこらあたりを漫歩する、漫はそゞろと訓む、目的意識のないことを意味する、漫談、漫読、漫想、漫生!無為而化――そんな一日であつた、たゞ一事の記すべきがあつた、珍客来、Hのおばさんとふうちやんとが立ち寄つたのである、私は彼女等の好奇心と好意とに対して微苦笑するより外はなかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...まつたくもつて珍客来だ...
種田山頭火 「其中日記」
...留守中客来、敬君と樹明君とがやつて来て、一杯飲んで待つてゐたらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...M君には逢つたが客来なので遠慮する...
種田山頭火 「其中日記」
...電車で、ほろよひ気分で、暮れ方の鏡子居へとびこむ、客来で、私一人で御馳走になる、さすがにをなごやだけあつて賑やかだ、時々主人公と世間話をしながら、腹いつぱい飲んで食べた、早々ほろ/\になつてぐつたりと寝た、感謝々々...
種田山頭火 「道中記」
...その頃から軍治は来る客来る客に憎しみを覚え始めたのだつたが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...彼女はもう来る客来る客をつかまえて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...一客来レバ隊中当番ノ一婢出デヽ之ニ接ス...
永井荷風 「申訳」
...客来(きゃくらい)かと思うとそうでない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...客のあるときは矢張(やは)り客来を名にして飲んで居たのを...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...夜の部、大いに客来る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...忽然有客来催債...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自分は中の口から奥へはいッてあたりの様子に気をつけて見たが客来の様子はまだなかッた,さてはまだなのかと稽古着のままで姉の室(へや)へ往ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...一つには客来が頻繁になって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...「お客来でございます」という妻の声でわれに返った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...客来一味謙信は、芝生(しばふ)に床几をすえ、至極、清楚(せいそ)なすがたを、それへ倚(よ)せていた...
吉川英治 「上杉謙信」
便利!手書き漢字入力検索