...と同時にまた別荘番が一言(いちごん)もこの客来(きゃくらい)を取次がないのも不審だった...
芥川龍之介 「疑惑」
...毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物(いんぶつ)、到来品、買物、近親交友間の消息、来客の用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉公人の移り換、給金の前渡しや貸越や、慶庵や請人(うけにん)の不埒(ふらち)、鼠が天井で騒ぐ困り咄、隣りの猫に(さかな)を取られた不平咄、毎日の出来事を些細の問題まで洗いざらい落なく書き上げておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...主人は客来で手がひけないので...
種田山頭火 「行乞記」
...珍客来、川棚温泉のKさんが訪ねてきた、彼は好きな男だ、姿も心持も(彼は子供のやうに熟柿をよろこんだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...電車で、ほろよひ気分で、暮れ方の鏡子居へとびこむ、客来で、私一人で御馳走になる、さすがにをなごやだけあつて賑やかだ、時々主人公と世間話をしながら、腹いつぱい飲んで食べた、早々ほろ/\になつてぐつたりと寝た、感謝々々...
種田山頭火 「道中記」
...客来夜間は勉強読書推敲三月十四日曇――晴...
種田山頭火 「松山日記」
...『主人こと今日は珍しい客来で興を催した次第で御座る...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...不願醒客来訪...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...かつては寒夜客来テ茶当ツレ酒ニ竹湯沸テ火初メテ紅ナリ〔寒夜(かんや)に客(きゃく)来(きた)りて茶を酒に当(あ)つ竹(ちくろ)に湯(ゆ)沸(わ)きて火(ひ)初(はじめ)て紅(くれない)なり〕といへる杜小山(としょうざん)が絶句(ぜっく)なぞ口ずさみて殊更煎茶(せんちゃ)のにがきを好みし朱泥(しゅでい)の茶(さへい)...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...「お客来(きゃくらい)でしたか...
中里介山 「大菩薩峠」
......
正岡容 「大正東京錦絵」
...これは一五七二年スペインより刺客来て天幕中に臥した王を殺しに掛かった時...
南方熊楠 「十二支考」
...忽然有客来催債...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自分は中の口から奥へはいッてあたりの様子に気をつけて見たが客来の様子はまだなかッた,さてはまだなのかと稽古着のままで姉の室(へや)へ往ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...――庭先で木剣を振っていた鎌田孫次郎は、愛想よく上へ招じて、「宜うこそおいで下された」と奥へ振返って、「これ椙江(すぎえ)、お客来じゃ、お茶をお淹(い)れ申せ」「いやどうぞお構いなく」「斯様な貧宅、別してお構いは出来ませぬ...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...「お客来でございます」という妻の声でわれに返った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...――秀吉は来る客来る客を迎えつつそれを眺めた...
吉川英治 「新書太閤記」
...お客来(きゃくらい)がかさみまして...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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