...農場の男がまたのそりと部屋にはいって来て客来を知らせたのは...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...珍客来、川棚温泉のKさんが訪ねてきた、彼は好きな男だ、姿も心持も(彼は子供のやうに熟柿をよろこんだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...そこらあたりを漫歩する、漫はそゞろと訓む、目的意識のないことを意味する、漫談、漫読、漫想、漫生!無為而化――そんな一日であつた、たゞ一事の記すべきがあつた、珍客来、Hのおばさんとふうちやんとが立ち寄つたのである、私は彼女等の好奇心と好意とに対して微苦笑するより外はなかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...まつたくもつて珍客来だ...
種田山頭火 「其中日記」
...留守中客来、敬君と樹明君とがやつて来て、一杯飲んで待つてゐたらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...電車で、ほろよひ気分で、暮れ方の鏡子居へとびこむ、客来で、私一人で御馳走になる、さすがにをなごやだけあつて賑やかだ、時々主人公と世間話をしながら、腹いつぱい飲んで食べた、早々ほろ/\になつてぐつたりと寝た、感謝々々...
種田山頭火 「道中記」
...彼女はもう来る客来る客をつかまえて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...『主人こと今日は珍しい客来で興を催した次第で御座る...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...不願醒客来訪...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...「お客来(きゃくらい)でしたか...
中里介山 「大菩薩峠」
...広く人に交わりて客来を自由にせんには...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...これは一五七二年スペインより刺客来て天幕中に臥した王を殺しに掛かった時...
南方熊楠 「十二支考」
...忽然有客来催債...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自分は中の口から奥へはいッてあたりの様子に気をつけて見たが客来の様子はまだなかッた,さてはまだなのかと稽古着のままで姉の室(へや)へ往ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...一つには客来が頻繁になって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...――庭先で木剣を振っていた鎌田孫次郎は、愛想よく上へ招じて、「宜うこそおいで下された」と奥へ振返って、「これ椙江(すぎえ)、お客来じゃ、お茶をお淹(い)れ申せ」「いやどうぞお構いなく」「斯様な貧宅、別してお構いは出来ませぬ...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...客来一味の簡粗(かんそ)たるも...
吉川英治 「上杉謙信」
...客来一味(きゃくらいいちみ)と...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索