...農場の男がまたのそりと部屋にはいって来て客来を知らせたのは...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...あなた様にお客来(きゃくらい)にござりまする...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物(いんぶつ)、到来品、買物、近親交友間の消息、来客の用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉公人の移り換、給金の前渡しや貸越や、慶庵や請人(うけにん)の不埒(ふらち)、鼠が天井で騒ぐ困り咄、隣りの猫に(さかな)を取られた不平咄、毎日の出来事を些細の問題まで洗いざらい落なく書き上げておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...客来夜間は勉強読書推敲三月十四日曇――晴...
種田山頭火 「松山日記」
...その頃から軍治は来る客来る客に憎しみを覚え始めたのだつたが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...彼女はもう来る客来る客をつかまえて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...不願醒客来訪...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...来る客来る客に鋭い眼を配りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...広く人に交わりて客来を自由にせんには...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
......
正岡容 「大正東京錦絵」
...これは一五七二年スペインより刺客来て天幕中に臥した王を殺しに掛かった時...
南方熊楠 「十二支考」
...自分は中の口から奥へはいッてあたりの様子に気をつけて見たが客来の様子はまだなかッた,さてはまだなのかと稽古着のままで姉の室(へや)へ往ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...一つには客来が頻繁になって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...――庭先で木剣を振っていた鎌田孫次郎は、愛想よく上へ招じて、「宜うこそおいで下された」と奥へ振返って、「これ椙江(すぎえ)、お客来じゃ、お茶をお淹(い)れ申せ」「いやどうぞお構いなく」「斯様な貧宅、別してお構いは出来ませぬ...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...客来一味謙信は、芝生(しばふ)に床几をすえ、至極、清楚(せいそ)なすがたを、それへ倚(よ)せていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...客来一味の簡粗(かんそ)たるも...
吉川英治 「上杉謙信」
...客来一味(きゃくらいいちみ)土蔵(どぞう)長屋の廂(ひさし)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...――秀吉は来る客来る客を迎えつつそれを眺めた...
吉川英治 「新書太閤記」
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