...実感としてはそらごととしか思えない...
梅崎春生 「幻化」
...そいつを、しこたま――ほんとは、静脈注射のザルソブロカノン(なんてむずかしい薬名を知っているのは、俺が肺をやられたとき、それの世話になったからだが、これは後日の話――)ぐらいの量だったけど、実感としては、しこたま、俺のヨシコにつぎこむと、医者が、「はい、おさえて」と俺に言う...
高見順 「いやな感じ」
...実感として「足もとから鳥が飛び立った」ような...
太宰治 「風の便り」
...こうして、じっと見ていると、ほんとうにソロモンの栄華以上だと、実感として、肉体感覚として、首肯(しゅこう)される...
太宰治 「女生徒」
...ただ一つ、僕が実感として、此の胸が浪打(なみう)つほどによくわかる情緒(じょうちょ)は、おう可哀想という思いだけだ...
太宰治 「新ハムレット」
...実感としての「死のう」という覚悟は...
太宰治 「人間失格」
...実感としては仄暗い力強い根深い不気味な...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...実感としては何にも残っていなかったのかも知れない...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...実感としてわれわれは忘れていた...
豊島与志雄 「楊先生」
...その旨(うま)さはただの記憶となって冷やかに残っているだけだから実感としては今思い出せないが...
夏目漱石 「思い出す事など」
...さうした職業は実感としては不可能のやうな気がした...
林芙美子 「浮雲」
...どうも実感として来ない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...日本の再建がほとんど不可能に近いという事を実感としてつかみ取るところから始める以外に無いと思わせる...
三好十郎 「恐怖の季節」
...しかし自分のこれまでの全生活の流れと深みを貫ぬいた実感として...
三好十郎 「恐怖の季節」
...実感としてそう思っている自分が居ると言う事だ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...実感としてそのような意識や反省が起きるのだから...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...紀平高雄にはそれがすぐには実感としてうけとれなかった...
山本周五郎 「つばくろ」
...私個人の実感としては早くから「神」の名を好まない...
与謝野晶子 「既成宗教の外」
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