...事実世間でいわゆる「物知り」なるものは...
石川欣一 「可愛い山」
...少々実世間の教訓をあたえてやったわけだ...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...すべて女といふものは、実世間の上にも、作物(さくぶつ)の上にも、自分達を買被(かひかぶ)つてゐるとか、見当違ひをしてゐるとかする人達を好くものなのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...学者のために途(みち)に花を降らさうともしない実世間の世渡りには...
薄田泣菫 「茶話」
...実世間を対手(あいて)とする商業道場愛児を中村屋に託さるる親たち...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...実世間にはめったにあるものではないと思っていたけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...直接に実世間にかかわりのあるものとしてのと...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...以上が実世間に対する日本の支那学の使命についての私見である...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...第三、今の作家が自家の狭隘(けふあい)なる観察に材を(ひろひと)りて、其の内容の余りに吾人の実生活と風馬牛なるの観あるに対して一層吾人の関心せる、興味多き、実世間、現思潮に接近せよといふか、言ひ換ふれば今一層現在の国民的生活に触着せよといふか、(所謂現思潮の何物たるかは一疑点たれど)所謂国民性を唱ふるものの意此の点に於ても是認せらるべきに似たり...
綱島梁川 「国民性と文学」
...然し実世間はみなそうしたものであろう...
豊島与志雄 「失策記」
...自己がしだいに実世間に押し出されるに伴れ...
夏目漱石 「思い出す事など」
...これは実世間に存在する円(まる)いものを説明すると云わんよりむしろ理想的に頭の中にある円というものをかく約束上とりきめたまでであるから古往今来変りっこないのでどこまでもこの定義一点張りで押して行かれるのです...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...普通の実世間において吾々の企(くわだ)てが意外の障害を受けて予期のごとくに纏(まと)まらないのと一般である...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...私はそれほど左様(さよう)に実世間とかけ離れた世界に生きている人間であった...
夢野久作 「鉄鎚」
...実世間のいかなる問題に触れても...
夢野久作 「鉄鎚」
...彼等は実世間を舞台とし背景として名優の鼻の表現法を行うものであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...同様に実世間の舞台面で修得したものは直に悪魔式鼻の表現の大家...
夢野久作 「鼻の表現」
...玄蕃は実世間的な苦労は知らないお坊っちゃんであったといえよう...
吉川英治 「新書太閤記」
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