...宛然(まるで)夢中で...
徳田秋聲 「絶望」
...帰りが後れるとの電報が一つ社長宛に来たきりで...
豊島与志雄 「自由人」
...宛も風のまにまに漂う水草のようなものである...
豊島与志雄 「生活について」
...宛も友人をでも迎えるような調子で...
豊島与志雄 「立札」
...その貯金のためにランドリュに惨殺された五十一歳のギラン夫人に宛(あ)てた恋文は...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...唐突に宛(あて)もない事を云ッてみたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それは夫々の頁々にゲーテの言葉が二三行宛抜萃されてゐる...
牧野信一 「日本橋」
...一日に一度宛入浴に出かける以外...
牧野信一 「貧しき日録」
...三月七日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 目白より(封書)〕注文書のリスト上に*をつけたのはもう送った分です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...七月三十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕七月三十一日 第七十一信さて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...三月三十日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕三月三十日 第二十四信きのうの朝おきて何とうれしかったでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...十月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕十月九日 土曜日雨の音が同じようなつよさで聴えつづけて居ます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...三 地名の宛字日本の地名を研究する者の...
柳田國男 「地名の研究」
...綱は相変らず二三寸宛(ずつ)しか上って来ませぬ...
夢野久作 「白髪小僧」
...家庭の女が持ち得ない自由な時間と金を毎日いくらか宛(ずつ)持っている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...止めましたる宛名を書いて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しかし私が気にかかるのは筑前様より御辺(ごへん)へ宛てて...
吉川英治 「黒田如水」
...あのとき使えなかったぼく宛ての健吉さんの絵手紙の一葉を(文面の部分は略して)この回の挿絵に入れた...
吉川英治 「随筆 新平家」
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