...此處へ來て見ると宛然(まるで)田舍の樣だ...
石川啄木 「天鵞絨」
...正造はまたしても原田たけ子宛に手紙を送った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...軍治は客と同じ食事を宛(あ)てがつて貰つてゐた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...二進の一十で綺麗に二等分して――もし二十五人であったら十二人半宛(ずつ)にしたかも知れぬ...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...手文庫の中の倅に宛(あ)てた遺言状らしい手紙に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お父様は終の棲家へ然るべく導かれることでしょう〉彼は門番部屋で彼女宛に一筆書いた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...那波氏宛、大阪の打ち日を二十五日迄として貰ひたき旨書き送る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...これはあなた宛てと思いますが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...井伏へ宛てた続きエハガキもならんでゐた...
牧野信一 「エハガキの激賞文」
...『不必要(ふひつえう)――不必要(ふひつえう)――不必要(ふひつえう)――不必要(ふひつえう)――』と宛(あだか)も何(ど)の詞(ことば)が最(もつと)も善(よ)く發音(はつおん)されるかを試驗(しけん)するやうに...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...八月二十二日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕八月二十二日 月曜の夜 第四十四信光子さんが三ヵ月に亙る岩手と北海道の絵の旅からかえって来て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...四月二十九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 日光中禅寺湖歌ヶ浜のいづみや旅館より(男体山の絵はがき)〕なかなか珍しい組み合わせで且つ珍しい小旅行です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...五月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕五月二十五日 第四十一信又ひとしきり雨が降って来ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...九月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕九月十四日きのうは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この歴史的なる宛字を...
柳田國男 「水海道古称」
...入院患者から主任教授宛に提出されたものばかり……という話であった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは尊氏の筆になる正成宛ての密書だといわれている...
吉川英治 「私本太平記」
...宛てたものであった...
吉川英治 「新書太閤記」
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