...男雛(をびな)の塩瀬(しほぜ)の石帯(せきたい)にも定紋(ぢやうもん)と替へ紋とが互違ひに繍(ぬ)ひになつて居りますとか...
芥川龍之介 「雛」
...定紋(じょうもん)うった幕の内へ入った...
海野十三 「間諜座事件」
...擬(まが)いも無い池田家の定紋...
江見水蔭 「備前天一坊」
...紀州侯から座元に三葉葵の定紋を許されてゐたと云ふ...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...一方に於てはその遊藝興行の免許状や定紋提灯の使用なぞの特權に依つて種々の利益を得てゐたのである...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...鷹の羽の定紋うつた輕い幌馬車は...
太宰治 「陰火」
...エフィゲニウス家の定紋たる盾(たて)と兜(かぶと)とを浮き出さしめ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...もしや若さまのお召しものの切れはしではございませんでしょうかしら?」竜胆寺家代々の定紋...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...ついでに左近将監のきものの定紋をも...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...家ごとに定紋入りの大提灯が板屋根のついた台と共に立てられ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...其他袴の股立ちを高く取つた男狐が四匹定紋附の大提灯を持つて駕籠の先に立つて行く...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...褪(さ)め果てた水色の暖簾(のれん)に染め出された大きな定紋(じょうもん)が垢(あか)づいてダラリと下った風情(ふぜい)を見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...三つ葉葵の定紋を打った陣笠の裏金に滑って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紋服を着て紫ちりめんの定紋(じょうもん)のついた風呂敷で顔を被(おお)って...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...恐れげもなく殿様の御定紋入りの羽織など着くさって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...緋の羽二重に花菱の定紋(ぢやうもん)を抜いた一対の産衣(うぶぎ)が萎(な)へばんでは居(を)るが目立つて艶(なまめ)かしい...
與謝野寛 「執達吏」
...まぎれなき定紋(じょうもん)が鞘(さや)には蒔絵(まきえ)されている...
吉川英治 「新書太閤記」
...上着はいずれも定紋附の小袖...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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