...佐渡狐が翌朝町人に化けてお濠畔へ行つて待つてゐると梅鉢の定紋をつけた駕籠に乘つて大勢の家來を後先に付けた行列が通りました...
江南文三 「佐渡が島から」
...まさしく石藤左近将監の定紋……しかも...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...関家の定紋九曜を刳(く)りぬいた白木の龕(がん)で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...定紋のついた提灯に灯を入れようとして...
外村繁 「澪標」
...この近所の人達は車背に輝く金蒔絵の定紋に依つて...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...肩衣の武将の定紋(じょうもん)も同じく桔梗になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...――高木家の定紋(じょうもん)もこれと同じもの――と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丸に二つ引の定紋を打つた墓で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――定紋だとモノを言ふが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...以前の住家(すみか)へゆくと玄関の両側にたてた提灯の定紋(じょうもん)は古びきって以前のままだが...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...定紋のついた、脚の高い、黒塗りの、四角な小さな膳だつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...或は三葉葵の定紋大屋根に戴いてゐた高徳寺の当主は...
正岡容 「下谷練塀小路」
...いつもその定紋のついた鞍が浮き上った...
室生犀星 「幼年時代」
...定紋の何であつたかを知らない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お嬢さんが大きな定紋の附いた提灯にひをいれて渡してくれた...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...緋の羽二重に花菱の定紋(ぢやうもん)を抜いた一対の産衣(うぶぎ)が萎(な)へばんでは居(を)るが目立つて艶(なまめ)かしい...
與謝野寛 「執達吏」
...短銃(たんじゅう)打(ぶ)ッちがえの定紋(じょうもん)をつけた幕(まく)をはりめぐらし...
吉川英治 「神州天馬侠」
...鉄砲(てっぽう)ぶッちがえの定紋(じょうもん)を張(は)りまわしたなかに鳴りをしずめてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
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