...男雛(をびな)の塩瀬(しほぜ)の石帯(せきたい)にも定紋(ぢやうもん)と替へ紋とが互違ひに繍(ぬ)ひになつて居りますとか...
芥川龍之介 「雛」
...華美を極めた晴着の上に定紋(じょうもん)をうった蝦茶(えびちゃ)のマントを着て...
有島武郎 「クララの出家」
...」取った湯呑は定紋着(じょうもんつき)...
泉鏡花 「浮舟」
...外へ出てお茶でも頂きましょう』伯爵家の定紋のついた自動車は出口に横附にされていましたが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...定紋打った大門の鉄扉(てっぴ)を潜(くぐ)ってから...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...その上には更に鍵屋の定紋である下り藤のついた四角な箱がずらりと天井近くを横に並んでゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そこに赤さびの出た定紋入(じょうもんい)りのボタンが...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...彼が定紋附(ぢやうもんつき)の車で乗りまはし...
徳田秋聲 「亡鏡花君を語る」
...私が飯まへなのに気がついた伯母さんはみんながかはりに行かうといふのをそれが自分の幸福な特権であるかのやうに剛情をはり定紋つきの小田原提灯をさげて菜(さい)を買ひに出ていつた...
中勘助 「銀の匙」
...お印はどう致しましょう」「先生の御紋は何でございましたっけね」「定紋(じょうもん)なんぞ付けるには及ばねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...肩衣の武将の定紋(じょうもん)も同じく桔梗になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...三つ葉葵の定紋を打った陣笠の裏金に滑って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...黒繻子(くろじゆす)に金糸で定紋を縫出した...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三つ鱗(うろこ)を定紋にしてゐる家を搜してくれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...九曜の星の定紋のついた陣笠がおいてあった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...定紋のついた、脚の高い、黒塗りの、四角な小さな膳だつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...いつもその定紋のついた鞍が浮き上った...
室生犀星 「幼年時代」
...藤の花を巴(ともえ)にした紋を定紋(じょうもん)に加えた...
吉川英治 「新書太閤記」
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