...振離(ふりはな)すと、床(ゆか)まで落ちず、宙ではらりと、影を乱して、黒棚(くろだな)に、バツと乗る、と驚駭(おどろき)に衝(つ)と退(すさ)つて、夫人がひたと遁構(にげがま)への扉(ひらき)に凭(もた)れた時であつた...
泉鏡花 「印度更紗」
...足も宙(ちゅう)で息が詰(つま)った...
泉鏡花 「縁結び」
...あの怪物は宇宙線を食って生きている奴じゃないかと思うのです...
海野十三 「宇宙戦隊」
...宇宙はなるほど宏大(こうだい)であって...
海野十三 「宇宙尖兵」
...宇宙怪人のほかには...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...たしかに宇宙怪人です...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...ニュートンがデカルト派の形而上学的宇宙観から割り出した物理学を離れて Hypotheses non fingo という立場からあのような偉業をしたのもそうである...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...それが無条件に宇宙時間から逸脱して同時存在的な対立をすると考えるには...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...視線は宙に迷ってるのだ...
豊島与志雄 「霧の中」
...そしてぽつりと、亡くなったミヨ子のことが、宙に浮いて、頭にひっかかってきました...
豊島与志雄 「肉体」
...人間や宇宙に対する信頼の問題だった...
中島敦 「狼疾記」
...宇宙的苦悩――人麿の歌にはそれが漲ってゐると云ふのだ...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...自分の身体が宙に浮いたかと思うと石のように急転直下して...
久生十蘭 「魔都」
...ドーバー海峡では体が宙を飛び...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
...……宇宙万有の秘奥に到るまで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...父はまた明治四年より病院の創立に志し、伊藤貫宗、稻葉宙方、佐佐間雲巖諸氏と共に、京都府下に於る各宗の寺院を勧誘して出資せしめ、明治六年十一月一日に到りて英国の医師を主任とし開業式を行へり...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...宙(ちゅう)は、無数の星だったが、人間の手に点(とも)された光といえばそれ一点しか見あたらない...
吉川英治 「親鸞」
...自然の美に酔いては宇宙に磅(ほうはく)たる悲哀を感得し...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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