...恐らく安閑として生きながらへるのに堪へなかつたのでございませう...
芥川龍之介 「地獄變」
...一日も安閑としてはいられない漁夫の生活にも...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...彼一人安閑として世を渡り綺羅を被(かぶ)り美味に飽(あか)んためには数千の貧人は汗滴(かんてき)労働しつつあるなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...こういうときにそうした将来のことに気もつかないで現状に安閑としていたら...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...師匠の家に安閑として家のことや...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...安閑としてぶらり遊んでいることは嫌いで必ずしも自分の仕事が銭(かね)にならなくても...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...今日政府は安閑として...
田中正造 「亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問」
...満洲にかけての同志が安閑としていると思うか...
林不忘 「安重根」
...とても安閑として生活して居られぬといふそは/\した不安の情が村一体に満ち渡つて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...ロリー氏は永い間安閑としていたが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...だれにも安閑としてることを許さないその騒ぎ好きな権力のもとに圧伏されて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつまでも安閑としているわけにも行かないだろう...
中谷宇吉郎 「雪協議会の報告」
...やっぱりこう安閑としているうちには...
夏目漱石 「こころ」
...人は老しても無病なる限りは唯(ただ)安閑としては居られず...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...現にその時も安閑として安逸を貪っているその人*のためにである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...トテモ安閑として内地には居(お)られん」「一体何の幽霊かいね」「缶詰の幽霊たい...
夢野久作 「近世快人伝」
...安閑として傍觀してはゐられまい...
吉川英治 「折々の記」
...命を天に待って安閑としてはいない...
吉川英治 「新書太閤記」
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