...人を殺して逃亡したとてもどうせ旨々とその筋の眼を晦(くら)まして一生を安穏に送ることのできないのはわかり切っていることであったから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...あたくしたちは平和に安穏に暮すためにイギリスへ行くのです...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...安穏に百姓をしておられるのも...
中里介山 「大菩薩峠」
...一生安穏に暮して行っているわけである...
中谷宇吉郎 「楡の花」
...素知らぬ顔で居られようか」「…………」「安穏に生き永らえるより...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...有馬屋が安穏に暮すのは業腹(ごうはら)だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺は死んだってお前達を安穏にはおかないぞ」紋付姿の錦太郎が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...安穏に助けちゃおけない」「そいつは誰でしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今日まで安穏に暮らして来た...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...もとよりかく安穏に渡世するは政府の法あるがためなれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ただ現在を安穏に眠り暮して...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...新派劇の総帥川上音二郎夫人貞奴は戦中も尚中熱海面に安穏に晩年を養つてゐたはずである...
正岡容 「大正東京錦絵」
...……安穏にやってゆけると思ったが...
山本周五郎 「思い違い物語」
...「正直に云うが、私は貴女を愛している」と彼は続けた、「――まだ貴女が肩揚げのある着物を着ているころから、……ずっと貴女を愛していたし、今でも愛している、そして、いつもこう思っていた、貴女がいつまでも仕合せであるように、悲しんだり苦しんだり、辛いおもいをしないように、一生、安穏に、幸福にくらすことができるように……」杉乃の唇が動いた...
山本周五郎 「竹柏記」
...無事安穏におすごしあそばすことができましょう...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...自分おひとりだけ安穏に暮したいとおぼしめしますか」いつか成信は眼を伏せていた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...そうして生涯安穏に世を送った弘法は...
横光利一 「比叡」
...当りまえな扶持取(ふちとり)ぐらしに当りまえな人間の月日を国元で安穏にすごしていたにちげえねえ...
吉川英治 「野槌の百」
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