...まことは西方浄土を現じたる安楽国にて候ぞや...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...往生安楽国!竹田は蓮根町といはれてゐるだけあつてトンネルの多いのには驚ろく...
種田山頭火 「行乞記」
...それで往生安楽国!・夏めいた灯かげ月かげを掃く・障子に箒の影も更けて・わいてあふれるなかにねてゐる・生えてあやめの露けく咲いてる□・重さ...
種田山頭火 「行乞記」
...往生安楽国!・ほつかりと宵月のある枯枝で・風がでて葉が鳴るゆふべの祈り・春風の豚でうめく・日向の椿がぽとりと水へ・春がきたどろ/\の蓮を掘つてゐる・草の芽乞食が荷をおろした三月一日くもつてはゐるがぬくい...
種田山頭火 「其中日記」
...温泉にひたつてゐる心持は徃生安楽国だ!帰庵したのは十時だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...天下泰平、徃生安楽国、ムニヤムニヤアーメン...
種田山頭火 「其中日記」
...まさに安楽国である...
種田山頭火 「旅日記」
...極楽安楽国に大往生を遂げさしてやるというのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殊(こと)に我輩の家の台所は貴君(あなた)の攻撃を受けた通り旧式で不潔で闇(くら)いのですから蠅は安楽国と思って無闇(むやみ)に繁殖します...
村井弦斎 「食道楽」
...多分は浄土教の安楽国を聴き伝えたものだろうが...
柳田国男 「海上の道」
...この方はアンダの国、またダクの国とも謂って、明らかに安楽国、すなわち安楽浄土の名の借用と思われるのだが、その地下の別天地にもやはり人間と同じような村里があり、大家があることは、他の多くのニライ訪問譚と異なるなく、ただその片隅の長屋(ながや)か何かの中で、生前悪事をした者の裁判などをしている...
柳田国男 「海上の道」
...安楽国に往生せん――と...
吉川英治 「親鸞」
...往生安楽国――という見地から...
吉川英治 「親鸞」
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