...不正直な商人はしばしばクエン酸を安価な酒石酸で置き換えることがある...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...この地方の木材は良質でしかも安価なので知られてゐる...
太宰治 「津軽」
...安価な原色を身につけた女たちが花屋のまえにとまり...
谷譲次 「踊る地平線」
...軽便で安価な「知識の即売」である...
寺田寅彦 「夏」
...いつもの彼女の安価な虚栄心でないにしても...
徳田秋声 「風呂桶」
...物質的で飲食と色情と安価な人生観とで固まって居るのだから...
中野秀人 「第四階級の文学」
...この極(きわ)めて安価なる気家(きえんか)は...
夏目漱石 「草枕」
...鉢ごと買える安価な代物(しろもの)だったのである...
夏目漱石 「道草」
...そうして実際金時計の安価なのに驚ろいた...
夏目漱石 「門」
...これがどうかすると安価な和洋合奏の化物になったり...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一月年玉分 五十銭七月盆 礼 五十銭試験 七十銭月謝 三十銭年暮 玉子折年玉 五十銭外に暑寒なんと安価なものではないか...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...根が安価な心の持主である彼だつたから...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...斯んな安価な悩みに...
牧野信一 「サクラの花びら」
...極く安価なのを一本買つたら好からうと樽野は告げた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...そこに安価な得意と勝利とを貪る...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そんな安価な見方で農村の暮しを判(さば)いていいだろうか...
柳宗悦 「陸中雑記」
...馬や駕籠よりも安価な駄賃で...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...この二つの商売……安価な食欲と性欲の提供業は期せずして共同した...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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