...それに安住したら一つの仕事をしとげる氣で居て一生涯安住の地なんぞは見もしないで死んじまふ典型(タイプ)だと思ふんです」と何時もの咄辯に似ずすら/\と言ひ切つて...
有島武郎 「半日」
...そこらに散らばつた葉つぱは安住の地をもとめるかのやうに...
薄田泣菫 「独楽園」
...以後、大阪市の発展に伴ひて、下寺町広田町方面に巣食つてゐた細民は次第に追ひ出されて南下し、安住の地を求め、期せずして、集団したるが、現在の釜ヶ崎にして、そこに純長町細民部落を形式するに到り、下級労働者、無頼(ぶらい)の徒、無職者は激増し、街道筋に存在する木賃宿は各地より集まる各種の行商人遊芸人等の巣窟となり、附近一帯の住民の生活に甚だしい悪影響を与へつつある...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...そして安住の地へ辿り着いたかを詳しく書かない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...安住の地でした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私の安住の地は、自分の生活が根を下してる処に在る...
豊島与志雄 「故郷」
...明かなのは現在が安住の地でないこと...
豊島与志雄 「風景」
...さうして其所(そこ)にわが安住の地を見出(みいだ)した様な気がした...
夏目漱石 「それから」
...けれども其安住の地は...
夏目漱石 「それから」
...そうして其所にわが安住の地を見出(みいだ)した様な気がした...
夏目漱石 「それから」
...ヘンデルやハイドンの故智に倣(なら)って英国に安住の地を見出(みいだ)そうとしたのもまたやむを得ないことである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...斯うやって折角安住の地をお見出しになりました御奉行様は間もなく又もお悩みにならなければならなくなったのでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...長い旅を終つて安住の地に住んだロバートが...
牧野信一 「駆ける朝」
...宗教はそんな所に安住の地があるとは教えておりません...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...やや引続いて安住の地を供与せられ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...ここを安住の地と定め...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...――安住の地を与えてやろう...
吉川英治 「私本太平記」
...(やはり法門こそ自分たちの安住の地だ)という心地がした...
吉川英治 「親鸞」
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