...併し模倣者が獨創者として自ら誇ることは孰れにしても不遜にすぎるやうだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...さうしてそれは俺に味方するものと反抗するものとの孰れを問はず...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...馬上孰れも汗ダクダク...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...折しも夕日は對岸にのみ及びて、紅葉ひとしほ鮮かに、黒檜山と共に水にうつりて、孰れか眞、孰れか影と疑はるゝばかりに明か也...
大町桂月 「赤城山」
...孰れも食慾と色慾との為に働いて...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...彼等は孰れも個人として未だ元老に代るの資望を有せざれば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...孰れかといへば寧ろ後者に近かく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...内相は曾て一言も之を辯解する能はざりしのみならず列席の議員孰れも之を默聽して相爭はざりしを見れば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...孰れの政黨に入る可き乎...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...孰れも毎年一定の期節に於て貴顕紳士を早稲田の庭園に招待するの慣例なれば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其他の閣僚は孰れも帝国党の微弱にして頼む可からざるを知り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...是は孰れが正しく孰れが謬るとも言へない...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...追憶の分量が孰れに多い...
長塚節 「教師」
...乙鳥音吉に比べて孰れが名手かも不明である...
牧野信一 「山峡の凧」
...孰れも遠方の夢から霧を衝いて立現れたやうな在り得べくもない姿でありながら...
牧野信一 「創作生活にて」
...この崖下に現れる芝居師連は孰れも極めて馬耳東風であつた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...孰れも気狂ひ沙汰だが...
牧野信一 「円卓子での話」
...それ等は孰れも両側の高い建物に挟まれて黒い陰の中に埋っていた...
松本泰 「日蔭の街」
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