...自分の精神の暗處を照して戰慄と羞恥と努力と精進とに躍らしむる者は後より來るか若しくは全然來らざるかの孰れかでなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...孰れにしても其半身を求める憧憬に二致がないから――凡ての深入りした經驗は世界の光景の全然一變する刹那を經過するに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自然と自己と孰れが原本的實在なりやは藝術家の關知する處ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...孰れも同じことですが...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...孰れ公判があるのだから其時に訂正すれば良い位で...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...その報告次第に依っては、私は事件をどう取扱っていいか分らなくなるのですが、多分、期待通り解決はつく事になりはしないかと思います」「君は、では、孰れにせよ、綿井氏より秀岡氏の方が先に死んだものと解釈するようだね? もし綿井氏の方が先に飛行機からとび降りれば、秀岡氏を殺害した犯人は君の主張によれば、どこにもないと言う事になるからね」検事は鷹揚に池内の言葉を聞き終ると言った...
大庭武年 「旅客機事件」
...徐ろに一盞の美酒を捧げて清風江月に對する時と孰れぞ...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...孰れを以て非亞細亞的と爲さんと欲する乎...
竹越三叉 「世界の日本乎、亞細亞の日本乎」
...孰れかと云えば、彼は数学を嫌い、読書を好みました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...凡そ孰れの政黨を問はず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼の千金棄擲解語の花を弄するものと得失孰れぞやと要するに伊藤侯の風流は東洋的にして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...孰れかといへば寧ろ後者に近かく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...各党各派孰れも確乎たる一大主義を有するなく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...孰れも行の字を付けさせているがこれも先祖の霊の御引合せであろうか...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...余は數日來出會うた少女が孰れも皆狹い帶を締めて居たので此時ふつと此の娘等の帶の結び目がどんなであらうかと思つたから荷物を横に搖りながらいた/\しげに登つて行く後姿を一遍見あげた...
長塚節 「旅の日記」
...孰れも古人の覗つたところを踏襲したもので...
菱田春草 「画界漫言」
...その後も同誌や別の同人雑誌でこの作者の名を見出す度に特に熟読したが孰れも相当の出来栄えである...
牧野信一 「推奨する新人」
...その孰れが眞であるかを單に抽象的に決定しようと欲することなく...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
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