...孰れにしても其半身を求める憧憬に二致がないから――凡ての深入りした經驗は世界の光景の全然一變する刹那を經過するに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...さうしてそれは俺に味方するものと反抗するものとの孰れを問はず...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...是に吾族と孰れ多きと云うことを知らん...
高木敏雄 「比較神話学」
...人界の王の孰れをか君はかく迄*懲らしゝや? かくも譽を奪へりや?禍害の運にこゝに來し楫取多き船の上...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...三者中の孰れに屬するか分らぬものが多く...
朝永三十郎 「學究漫録」
...前に擧げたる三個の類型中の孰れかゞ...
朝永三十郎 「學究漫録」
...其政治家として成功するの要素果して孰れに多しとすべきか...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...各黨各派孰れも確乎たる一大主義を有するなく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...世に新政党組織を伝ふるものありと雖ども孰れの元老かを奉じて之れを首領と為すに非ずむば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...松井と村上とは孰れからということなしに誘い合って球突場に行った...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...それらの孰れかが成長する時...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...孰れの村落へ行っても人は皆悪戯半分に瞽女を弄ぼうとする...
長塚節 「太十と其犬」
...人生の精神と形體と孰れか重きや...
福沢諭吉 「帝室論」
...各政黨の孰れかを見て自然に好惡親疏の情を生じ...
福沢諭吉 「帝室論」
...孰れも遠方の夢から霧を衝いて立現れたやうな在り得べくもない姿でありながら...
牧野信一 「創作生活にて」
...孰れも気狂ひ沙汰だが...
牧野信一 「円卓子での話」
...それとも出掛けた方がよからうか? 孰れにすべきか一時間ばかり考へる為にノロノロと歩み走つた...
牧野信一 「吾家の随筆」
...孰れにしても此ヤグラは櫓と同訓ながら別物だ...
南方熊楠 「人柱の話」
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