...糧食(りやうしよく)は孰れか積(つ)める...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...讀書思索勞作の孰れに對しても隨分落付かぬ氣分を誘ひ勝である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...基督教国基督教会孰れも皆な名のみのキリストの国である...
内村鑑三 「聖書の読方」
...孰(いづ)れも理屈ばかり列(なら)べてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...孰方(いずれ)にしてもそうした方が自分達も安心であるし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...奥畑と結婚するのんと孰方(どっち)か云うたら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...孰方(どっち)からも「会(あ)お」いい出したことあれしませんし...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...之を搖がし兩人の孰れか先に鋭鎗を投ずべきかを定めんず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...孰(どつち)かといへば素人の加はつてはならない半商売人筋のものであつた...
徳田秋声 「のらもの」
...世に新政黨組織を傳ふるものありと雖ども孰れの元老かを奉じて之れを首領と爲すに非ずむば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼等は孰れも個人として未だ元老に代るの資望を有せざれば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今度の敵多勢とは申しながら孰(いづ)れも万夫不当の勇士...
中里介山 「大菩薩峠」
...云(ゆ)はねえんぢやねえけえ」孰(いづ)れの心(こゝろ)にも口(くち)にはいはなくて了解(れうかい)されて居(ゐ)る或(ある)物(もの)を少(すこ)しづつ現(あらは)さうとして有繋(さすが)に躊躇(ちうちよ)する樣(やう)にして噺合(はなしあ)うた...
長塚節 「土」
...ぽつ/\と簇(むらが)つた村落(むら)の木立(こだち)の孰(いづ)れも悉(こと/″\)く赭(あか)いくすんだ葉(は)を以(もつ)て掩(おほ)はれて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...空なる月と水のかげと孰(いづ)れを誠(まこと)のかたちとも思はれず...
樋口一葉 「あきあはせ」
...その他孰(いず)れも...
松本泰 「秘められたる挿話」
...その孰れが眞であるかを單に抽象的に決定しようと欲することなく...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...かういふ時に男は孰方にもつきかねるものをその事件の發端に感じるものだからだ...
室生犀星 「はるあはれ」
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