...糧食(りやうしよく)は孰れか積(つ)める...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...敢て之を乘り切ると逡巡して進化を拒むとの孰れを問はず...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...孰れにしても人は社會の影響を脱れることが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...孰れも同じことですが...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...これは孰(いず)れもそれ自身絶対に他へ洩らすことの許されない同じような二つの機密社会(きみつしゃかい)であるために...
海野十三 「壊れたバリコン」
...孰方(どちら)へも義理が立つように失明の手段を取ったのであると...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...孰れかと云えば、彼は数学を嫌い、読書を好みました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...どないぞしていてて貰わんならん」「お春と孰方(どっち)が上やろか」「お春どん幾つやねん」「廿歳(はたち)やわ」「そしたら同い歳かいな...
谷崎潤一郎 「細雪」
...どうする気なんだ」「あたしは孰方でも...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...孰方(どっち)が悪いと云うのではない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...孰方(どっち)つかずに衝(つ)っ立ったままの私の顔を見上げながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...孰方もしっかり者だったのが不和の原因になったのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...もし孰方(どっち)ぞが捨てられるいうことになったら私の方が捨てられます...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...「姉ちゃんはあてと栄ちゃんと孰方(どっち)が大事や」とか...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...政黨の孰れを捨てず又孰れをも援けず...
福沢諭吉 「帝室論」
...花穎は孰(いず)れの種類のものに在ても縦脈ありてその数は竹の種類の異なるに従い一定ならず...
牧野富太郎 「植物記」
...私の身のまわりは孰(いず)れも見馴れたもの計りで...
松本泰 「日蔭の街」
...一切の形式的仮象をも含み意識一般の孰れの表象内容をも含む統一体としての主観的客観から触発された感性的認識の質料の表徴であり...
横光利一 「新感覚論」
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