...正宗君は存外に世間といふものを重く見てゐる...
田山録弥 「正宗君について」
...例えば低気圧という言葉の意味すらよく呑込めていない人が立派な教養を受けたはずのいわゆる知識階級にも存外に多いのに驚かされることがある...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...エントロピーの時計の用途は存外に広いという事を思い出すに格好な時機ではあるまいか...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...しかしレニンやデモクラシーや猫のゴロゴロのほんとうにわかっている人も存外に少ないのではあるまいか...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...いよいよ存外に謙遜と自省とがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...存外に稀だといふことであるが...
中原中也 「宮沢賢治全集」
...「存外に早かったな...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...けれども存外に悪い事をしない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...(尤(もつと)も此邊の論は短歌に就きての論と御承知可被下候)眞淵の家集を見て眞淵は存外に萬葉の分らぬ人と呆れ申候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...眞淵は雄々しく強き歌を好み候へどもさて其歌を見ると存外に雄々しく強き者は少く...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...(もっともこの辺の論は短歌につきての論と御承知可被下(くださるべく)候)真淵の家集を見て真淵は存外に『万葉』の分(わか)らぬ人と呆(あき)れ申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...世人が存外にこれに対して冷淡にある如く見えるのは甚だ遺憾である...
正岡子規 「病牀六尺」
...火の手の廻り方が存外に早かったので...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ここには仏法の指導力が存外に弱かったために...
柳田国男 「海上の道」
...存外に久しい後までも...
柳田国男 「海上の道」
...その種類の存外に単純であることを感じた...
柳田國男 「名字の話」
...存外に流行が遅々としていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...我々の精神生活のこれに左右せられた部分の存外に小さかったことは...
柳田国男 「山の人生」
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