...その議論の存外に同じきやうに見ゆるは...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...まさかこれほどではないまでも歴史の中にはこれに類するものが存外にたくさんあるであろうと想像される...
寺田寅彦 「科学と文学」
...この豚存外に心利きたる奴にて甲斐々々しく何かと世話しくれたり...
寺田寅彦 「東上記」
...あなた様の御病気をお癒(なお)しなさるようにとのお心添えなそうにございます」「そうか」存外に冷やかな響きでしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...小賢(こざか)しい人間の復興ぶりの存外に有力なるに業を煮やし...
中里介山 「大菩薩峠」
...存外に稀だといふことであるが...
中原中也 「宮沢賢治全集」
...(尤(もつと)も此邊の論は短歌に就きての論と御承知可被下候)眞淵の家集を見て眞淵は存外に萬葉の分らぬ人と呆れ申候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...真淵は存外に万葉の分らぬ人と呆(あき)れ申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...さてその歌を見ると存外に雄々しく強きものは少(すくな)く...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...存外に手強く談判を持込むやうなことがある...
正岡子規 「病牀六尺」
...火の手の廻り方が存外に早かったので...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...存外に人間と似通うた部分が多く...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...また存外に似ていることもある...
柳田国男 「年中行事覚書」
...存外に流行が遅々としていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...存外に近頃のことだったのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...我々の精神生活のこれに左右せられた部分の存外に小さかったことは...
柳田国男 「山の人生」
...存外に深いなと思いながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...――存外に気らくであった...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索