...予は孑然(けつぜん)たる征旅の客(きやく)の深山大沢(だいたく)を恐るるが如く...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...予は孑然たる征旅の客の深山大沢を恐るるが如く...
芥川龍之介 「梅花に対する感情」
...下水の孑孑がそろ/\蚊になり出す頃に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その暗い処に母とお末とが離れ合つて孑然(ぽつねん)と坐つて居た...
有島武郎 「お末の死」
...そんな湯呑には孑孑(ぼうふら)が居ると不可(いけ)ません...
泉鏡花 「浮舟」
...孑孑が這上(はいあが)って...
泉鏡花 「薄紅梅」
...無有孑遺(げついあることなし)...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...孑子(ぼうふら)よりもまだ小さな黒点が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...つまり智慧(ちえ)の足りないところから湧(わ)いた孑孑(ぼうふら)のようなものと思惟(しい)する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...デッキまで孑孑(ぼうふら)のように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...また東風(こち)菫(すみれ)蝶(ちょう)虻(あぶ)蜂孑孑(ぼうふら)蝸牛(かたつむり)水馬(みずすまし)虫(まいまいむし)蜘子(くものこ)蚤(のみ)蚊(か)撫子(なでしこ)扇燈籠(とうろう)草花 火鉢炬燵(こたつ)足袋(たび)冬の蠅(はえ)埋火(うずみび)等はその繊細なる者なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...周章(あわて)る時は孑孑様に騒ぎながら...
南方熊楠 「十二支考」
...孑遺(げつゐ)なきを期すべし...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...船中の蓄え水には孑々(ぼうふら)がわいていた...
吉川英治 「私本太平記」
...これで腹の中の孑々も死ぬだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...孑孑(ぼうふら)を掌(て)に掬(すく)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...溝(どぶ)の孑孑(ぼうふら)でも飲ましてやるから静かにしていろ」朱富はわざと罵声(ばせい)を投げた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一応は読むのが礼儀じゃないか」「孑孑(ぼうふら)や蛆(うじ)ほど多い武者修行に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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