...(僕はそこへ金魚にやる孑孑(ぼうふら)を掬(すく)ひに行つたことをきのふのやうに覚えてゐる...
芥川龍之介 「本所両国」
...下水の孑孑がそろ/\蚊になり出す頃に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その暗い処に母とお末とが離れ合つて孑然(ぽつねん)と坐つて居た...
有島武郎 「お末の死」
...そんな湯呑には孑孑(ぼうふら)が居ると不可(いけ)ません...
泉鏡花 「浮舟」
...孑孑め、女だって友だちだ、頼みある夥間(なかま)じゃないか...
泉鏡花 「薄紅梅」
...孑孑が這上(はいあが)って...
泉鏡花 「薄紅梅」
...我思(わがおも)ふまゝに孑孑(ぼうふら)うき沈み六月二十三日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...無有孑遺(げついあることなし)...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...時たま一人孑然(ぽつねん)と貸間の二階に寝ることがないでもないが...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...孑子(ぼうふら)よりもまだ小さな黒点が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...デッキまで孑孑(ぼうふら)のように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
......
南方熊楠 「十二支考」
...孑孑(ぼうふり)また十手を振り廻すごとく転がり落つとも...
南方熊楠 「十二支考」
...周章(あわて)る時は孑孑様に騒ぎながら...
南方熊楠 「十二支考」
...下水や溝(どぶ)へ流しておくと孑孑(ぼうふら)が死にますから蚊が発生しません...
村井弦斎 「食道楽」
...「干旄孑孑上途程...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これで腹の中の孑々も死ぬだろう...
吉川英治 「私本太平記」
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