...貧乏人の子だくさんというようなことも...
伊藤左千夫 「去年」
...莚織つてゐる子だくさん長州料理これがちしやもみといふふるさとにゐて・冬山から音させておりる一人二人藪のしづかさが陽をのんでしまつた二月二十日けふもよい日だ...
種田山頭火 「其中日記」
...おそらく旦那がいて表に出せない子だくさんですよ」だがモンテナナ国王は一笑に付した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...子だくさんであることを大きな幸福と考えているが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...子だくさんでくらしに困って世帯じまいをしたときにこの子を預けたんですが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「ごめんなさい」おのぶは徳利を膳の上へ置き、あいている徳利を盆のほうへ移して、坐りながら云った、「あたしこのごろ、少し酔うと泣き上戸(じょうご)になるようなの、としだわね」「としだって、幾つになるんだ」「もうおばあさん、二十一よ」「それでばあさんか、いい気なもんだな」そう云いながら手酌で一つ飲み、おのぶにも酌をしてやって、栄二は静かに口ぶりを変えた、「――いちど云っておこうと思ったんだが、さぶのやつがおめえを好きだってこと、知ってるだろうな」「ええ知ってます」おのぶはまじめに頷いてから、感情のない笑いかたをした、「誰かが誰かを好き、こっちの誰かはほかの誰かが好き、――まるで虫拳(むしけん)みたいだわ」「冗談にしないで聞けよ」「冗談にしなければ角(かど)が立つのよ、栄さんだから云うけれど、あたしさぶちゃんはどうしても好きになれない、お客としてならよろこんでお相手をするわ、でも好きか嫌いかという段になれば、だめ、済みません堪忍してちょうだい」「いいやつなんだがな、まじめに、本気でおのぶに惚(ほ)れているんだが」「それにね、栄さん」おのぶは眼を伏せ、声を低くした、「あたしにはたいへんな親きょうだいがあって、人のお嫁にはなれない躯なのよ」「いつか家出をしたい、なんて云ってたっけな」「親が甲斐性(かいしょう)なしで、子だくさんで、それも男のきょうだいはみな、ぐうたらべえ、姉さんとあたしと、下にいま十七になる妹があるんだけれど、この女きょうだい三人だけが苦労してきたし、これからも一生苦労しなければならないんです」「姉さんはなんで死んだんだ」おのぶはちょっと黙ってから、やはり眼を伏せたなりで云った、「心中なんです」「しん――なんだって」「好きな人と心中したんです...
山本周五郎 「さぶ」
...松家は子だくさんで五男四女あったが...
山本周五郎 「百足ちがい」
...律義者(りちぎもの)の子だくさん...
吉川英治 「新書太閤記」
...子だくさんの場合に...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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