...永久にその嬲(なぶ)りものになっているのだ...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...猫が鼠を嬲(なぶ)る如く敗者の感情を弄ばうとする...
石川啄木 「鳥影」
...しかしなんだか嬲(なぶ)られているようで...
高神覚昇 「般若心経講義」
...薄い練絹(ねりぎぬ)の被衣(かつぎ)を微風に嬲(なぶ)らせながら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...嬲(なぶ)り殺しに斬(き)り苛(さいな)まされた深手の傷のようにむずむず五体を疼(うず)かした...
近松秋江 「うつり香」
...嬲(なぶ)り殺しにされてしまう傷(いたま)しい運命...
永井荷風 「妾宅」
...わたしをお嬲(なぶ)りなさいます」「いいえ」お銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...人を嬲殺(なぶりごろ)しにしているお方がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...上気した頬を海風に嬲(なぶ)らせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...嬲(なぶ)ったり...
夏目漱石 「坑夫」
...何と姿が見えるかと嬲(なぶ)る...
樋口一葉 「にごりえ」
...椿散る島の少女の水汲場信天翁は嬲られて居ぬ伊豆の大島の様なのどかな風光を描出する歌...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...屹(きっ)と困るであろうと嬲(なぶ)るのはチャント分(わかっ)て居る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...微風に髮を嬲(なぶ)らせ額(ひたひ)に接吻させた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...嬲(なぶ)るように脛を竹刀で...
宮本百合子 「刻々」
...邪魔立て致す分に於いては嬲(なぶ)り殺(ごろ)しだぞ」と真ッ先に叫び返した一人が大刀を真ッ向に振りかぶって手元に躍りこんで来るのを...
吉川英治 「剣難女難」
...大宮人のしなやかな辛抱づよさを笑みにもって、相手の風向きに逆らわず、嬲(なぶ)れば、嬲らせている世に古い老い柳のごとき姿であった...
吉川英治 「私本太平記」
...きさまの面(つら)は嬲(なぶ)りものにできとるじゃないか」「何をっ」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
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