...涼しい川風に袂を嬲らせて...
石川啄木 「鳥影」
...しかしなんだか嬲(なぶ)られているようで...
高神覚昇 「般若心経講義」
...嬲(なぶ)り殺しにしたかったということなのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...蜂は三人を嬲(なぶ)るかのように...
谷崎潤一郎 「細雪」
...寝間着の裾(すそ)のさっとはだけた風の勢が私の鼻を嬲(なぶ)りました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...「貴女は私を嬲っているんじゃないんですか?」「どうして!」何と云う間の抜けた受太刀だろう...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...何と姿が見えるかと嬲(なぶ)る...
樋口一葉 「にごりえ」
...一寸法師の生意気と爪(つま)はぢきして好い嬲(なぶ)りものに烟草(たばこ)休みの話しの種成き...
樋口一葉 「わかれ道」
...おそらく私を見出したならば彼は会心の微笑を洩らして最も残酷な嬲(なぶ)り打ちを浴せ...
牧野信一 「ゼーロン」
...業慾者達を嬲ることが出来るのが思はぬ愉快となつた...
牧野信一 「南風譜」
...伊東は彼を嬲(なぶ)るときに...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...何故だましてるんだ? どうして私を嬲(なぶり)もんにしてるんだよ!」彼女は...
宮本百合子 「「インガ」」
...自分の手にかけて嬲(なぶ)り殺しか何かにして終(しま)わなくちゃ...
夢野久作 「支那米の袋」
...嬲(なぶ)り殺しが止みますならば...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...こんな風に嬲(なぶ)り殺しにしたらナアとか……お義母(っか)さんに猫イラズを服(の)ませたらドンナにか清々(せいせい)するだろうにナアとか……あんな役者と心中したらとか……いっその事ヴァンパイヤになってやろうか知らん……なぞと……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...大宮人のしなやかな辛抱づよさを笑みにもって、相手の風向きに逆らわず、嬲(なぶ)れば、嬲らせている世に古い老い柳のごとき姿であった...
吉川英治 「私本太平記」
...きさまの面(つら)は嬲(なぶ)りものにできとるじゃないか」「何をっ」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...春風に嬲(なぶ)らせて閉じてしまった...
吉川英治 「柳生月影抄」
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