...顔も嬌羞(けうしう)などは浮べてゐない...
芥川龍之介 「あばばばば」
...ほとんど女人(にょにん)の嬌羞(きょうしゅう)に近い間(ま)の悪さの見えるのは不思議である...
芥川龍之介 「十円札」
...もう一度金縁(きんぶち)の近眼鏡の奥に嬌羞に近い微笑を示した...
芥川龍之介 「十円札」
...それ自身嬌羞(きょうしゅう)を帯びたように怯(お)ず怯(お)ず差し出されていたことだけである...
芥川龍之介 「十円札」
...併し不気味な嬌羞(きょうしゅう)を示して...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...窓深くたれこめてよろづ嬌羞を帶びたるをとめ子に喩ふべし...
大町桂月 「日月喩」
...酔エルガゴトク眠レルガゴトクニシテ嬌羞(きょうしゅう)ヲ含ンデイルサマガ何トモイエナイ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...何か際(きわ)どく目に立たない嬌羞(きょうしゅう)を帯びていて...
徳田秋声 「仮装人物」
...カントの体系に於ける所謂「嬌羞(はにか)みやの唯物論」の不徹底さや...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...流石にここでは嬌羞(はにか)みながら話は進んだ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...ただこの際の文学主義はまだ一種の嬌羞をもっていたから...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...淡(あは)き嬌羞(けうしう)よ...
中原中也 「在りし日の歌」
...その上御米は若い女にありがちの嬌羞(きょうしゅう)というものを...
夏目漱石 「門」
...其上(そのうへ)御米(およね)は若(わか)い女(をんな)に有勝(ありがち)の嬌羞(けうしう)といふものを...
夏目漱石 「門」
...又鞦韆をやる女の年輩は、王建が少年兒女重鞦韆と云へるを見ると、若い者を主としたやうであるが、若いと云つても今我邦で云ふ小學兒童といふ年頃よりは、いま少し長じた程度のもので、王問の詩には幼女十五纔出閨、擧歩嬌羞花下迷、自矜節柔絶輕※、不倩人扶獨上梯とある...
原勝郎 「鞦韆考」
...些(ちと)の嬌羞(きょうしゅう)の色もなく...
森鴎外 「魚玄機」
...と申しまするところは」「おひひひひひ」おわきは嬌羞(きょうしゅう)の笑いと共に父の言葉を確証した...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...媚(こ)びや嬌羞(きょうしゅう)は少しも感じられなかった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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