...何もあの男が一人娘(ひとりむすめ)の斷末魔を嬉しさうに眺めてゐた...
芥川龍之介 「地獄變」
...あとで考えてみるとあまりの嬉しさからとはいえ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...まだまだ嬉しさが余りあつた...
種田山頭火 「行乞記」
...油然(ゆうぜん)とした嬉しさが心の底(そこ)からこみあげて来る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...震え上るほどの嬉しさだった...
豊島与志雄 「川端柳」
...上潮だ!……星が光ってる!嬉しさとも淋しさともつかないもので...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...実に天へも登る嬉しさであった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...二人きりで暮している嬉しさを描いてみた...
直木三十五 「南国太平記」
...吹雪の中にぼんやり蕎麦屋(そばや)の灯が見えた嬉しさ...
永井荷風 「雪の日」
...生き返ったわが嬉しさが日に日にわれを遠ざかって行く...
夏目漱石 「思い出す事など」
...その嬉しさの味のためには一生その仕事を止めないだらうと云(い)ふ風に...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...嬉しさのあまり逆上したのであろう...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...あの会話をするまでは妻がOの居合せないところでOの話をする時はいつも顔を輝やかして大層嬉しさうだつた...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...実は胸に余る嬉しさやら...
二葉亭四迷 「平凡」
...イーヴォス氏と父親だけ知っている」ヴィラは嬉しさの余り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...短くも言い得べきを「嬉しさよ」と長く言いて...
正岡子規 「俳人蕪村」
...軽らかな息を吸いつつ此処に立って髪を結ぶ私(わたくし)の嬉しさ...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...その折の私の嬉しさは...
柳宗悦 「民藝四十年」
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