...女は嬉しさうに訊いた...
薄田泣菫 「茶話」
...それでもその嬉しさには夾雑物(まざりもの)がないではなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...「僕はね……」彼はさう言つて、さも嬉しさうに、につこりと両頬を脹らませた...
外村繁 「打出の小槌」
...」兄も嬉しさうだつた...
中原中也 「耕二のこと」
...生き返ったわが嬉しさが日に日にわれを遠ざかって行く...
夏目漱石 「思い出す事など」
...レミュは嬉しさのあまりしどろもどろになり...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...嬉しさがつつみきれず...
火野葦平 「糞尿譚」
...この嬉しさ、この肩身の広さは、やがて何とも言いようのない拷問に変わっていった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...いかにも嬉しさうな顏つきをして...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...わけもなく嬉しさうにあたしの肩を叩いたり...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...女の子たちは総大将の松が号令をかけてもまだ嬉しさうに線路の端の電柱を抱へて...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...短くも言い得べきを「嬉しさよ」と長く言いて...
正岡子規 「俳人蕪村」
...旅の嬉しさはかやうに解放されることの嬉しさである...
三木清 「人生論ノート」
...そのまま遊ばせ人に取られて死ぬべかりしを其(そこ)に来合せ命を助けたもうとこの女子に聞いた嬉しさに謝恩のため迎え申したと言って...
南方熊楠 「十二支考」
...いかにもさんが嬉しさうに微笑しながら想ひ浮べた洒落らしくて面白いのだ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...人になれきったその馬の首を撫でたりカナカナと調子をあわせて口笛を吹いたり何とはなしの嬉しさが体の内におどりくるって居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...チャンと種板まで取ってあった……そん時の嬉しさったらなかったよ」「いかにもナア...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...銚子の河口であれだけの幅を持った利根が石から石を飛んで徒渉出来る愛らしい姿になっているのを見ると矢張り嬉しさに心は躍ってその石から石を飛んで歩いたものであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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