...一群の大きい亀が海面に嬉々として戯れているのが見えた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...不機嫌な顏をした女や男が通つて彼の挨拶に氣がつかないと彼は不審相に悲しい顏付をして見送るがすぐ忘れてしまつて嬉々として歩んでゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...晝の休みの鐘が鳴るまで自由に嬉々としてめい/\もち場所に一人々々ちらばり原の隅から一人が打ち上る球を走つて行つてうまく受取る...
千家元麿 「自分は見た」
...三人は何か新しく珍らしい遊戯の方法でも発見したように嬉々として光子の命令に服従し...
谷崎潤一郎 「少年」
...教えを受けて引下がるときは皆嬉々として引下がったという話である...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...新品の玩具を与えられた子のように嬉々として見つめていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...女供の嬉々として笑う声の聞える折から...
永井荷風 「巷の声」
...その蓆の上へ、嬉々として、お客様気取りに坐り込んでいるのは、この界隈(かいわい)のお河童や、がっそうや、総角(あげまき)や、かぶろや、涎(よだれ)くりであって、少々遠慮をして、蓆の周囲に立ちながら相好(そうごう)をくずしているのは皆、それらの秀才と淑女の父兄保護者連なのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...柱を囲んで幾人かの人が嬉々として語り合っているのを見ます...
中里介山 「大菩薩峠」
...妻に抱かれた子は生えはじめた白い齒を出して佐治君へ向つて兩手を振りながら母の手の上で立つたり屈んだりして嬉々として騷ぐ...
長塚節 「教師」
...テワスが再度の結婚を嬉々として楽しんでいるのに引きかえ...
中村地平 「霧の蕃社」
...女たちは嬉々としてしやべつてゐた...
萩原朔太郎 「ラムネ・他四編」
...山野は嬉々として東京へ帰る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ツル子とNは、馬から降される自分達の荷物を、嬉々として、小屋の中に運んでゐた...
牧野信一 「山を越えて」
...嬉々として泳いでゐる金魚で色取られてゐるホテルの中庭を...
正宗白鳥 「雨」
...嬉々として友と飲んでいる...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...それは嬉々として舞い上る放鳥の群れである...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...小鳥が嬉々として枝から枝へ樹から樹へ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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