...それ以来彼は僕等の間(あいだ)に「嫣然」と言う名を得ていたのだった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...……」僕等は前の「嫣然(えんぜん)」のように彼等の一人に...
芥川龍之介 「海のほとり」
...片手を高くさしあげてわれわれをさしまねきながら大声で「ドモスミマシェン」と言って嫣然(えんぜん)一笑した...
寺田寅彦 「あひると猿」
...今日は薄化粧して嫣然(えんぜん)として待ちかねている...
中里介山 「大菩薩峠」
...女が嫣然(にっこり)笑って...
中里介山 「大菩薩峠」
...おふさは揶揄ふ樣なあまえる樣な態度で又妙な聲を出して嫣然した...
長塚節 「おふさ」
...困(こま)らなどうもなあ」側(そば)からいつたので勘次(かんじ)は有繋(さすが)に嫣然(にこり)とした...
長塚節 「土」
...寄(よ)せんな」女房(にようばう)は立(た)つた儘(まゝ)一同(どう)を見廻(みまは)して嫣然(にこり)としていつた...
長塚節 「土」
...「鹽辛(しよつぺ)えやまさか」彼(かれ)は嫣然(につこり)とし乍(なが)ら「おつう...
長塚節 「土」
...小林でしょう」「ええ」叔母は嫣然(にこり)ともせずに...
夏目漱石 「明暗」
...嫣然(えんぜん)として八五郎の鼻を迎へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嫣然(えんぜん)とした表情も大きく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しおらしい口元で嫣然(にっこり)笑われて見ると……淡雪(あわゆき)の日の眼に逢(あ)ッて解けるが如く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...嫣然(えんぜん)一笑しながら昇の顔を窺(のぞ)き込んで...
二葉亭四迷 「浮雲」
...嫣然媚二初旭一とも妝凝朝日麗とも詠じ...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...そうした私の傍に突立ったまま嫣然(えんぜん)と見下していた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...嫣然(えんぜん)巧笑...
横光利一 「上海」
...死体に色づけ客間に置き放したまま嫣然と笑わせたようなこの都会の女性的な壮麗さは...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??