...『嫣然(えんぜん)』がいりゃはいるだろう...
芥川龍之介 「海のほとり」
...」「嫣然」と言うのはここにいるうちに挨拶(あいさつ)ぐらいはし合うようになったある十五六の中学生だった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...それ以来彼は僕等の間(あいだ)に「嫣然」と言う名を得ていたのだった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...画家去りぬ嫣然(えんぜん)として梅の花一月十五日 家庭俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...嫣然(えんぜん)たるもの...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...彼女は嫣然(にっこり)して...
徳田秋声 「仮装人物」
...嫣然(にっこり)として...
中里介山 「大菩薩峠」
...惡戯(いたづら)ばかし仕(し)て」おつぎは嫣然(にこり)として後(うしろ)を見(み)た...
長塚節 「土」
...困(こま)らなどうもなあ」側(そば)からいつたので勘次(かんじ)は有繋(さすが)に嫣然(にこり)とした...
長塚節 「土」
...おつたは茶柱(ちやばしら)の立(た)つた茶碗(ちやわん)の中(なか)を見(み)てそれから一寸(ちよつと)嫣然(につこり)として見(み)たり...
長塚節 「土」
...襖をそつと締める時おいよさんは冠つて居る白い手拭の下から私を見て嫣然とした...
長塚節 「隣室の客」
...おいよさんが嫣然とする時には屹度口が小さく蹙まつて鼻の処に微かな皺が寄るのであつた...
長塚節 「隣室の客」
...嫣然(えんぜん)としたお篠の笑顔が現われます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」かう云つて嫣然(につ)とした...
平出修 「畜生道」
...生(う)まずの女すなわち石婦(うまずめ)かあるいは何時も弱々しい子供しか生み得ぬ婦人かが粧いを凝し嫣然(えんぜん)と笑って媚を呈しているようなものである...
牧野富太郎 「植物記」
...嫣然媚二初旭一とも妝凝朝日麗とも詠じ...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...そうした私の傍に突立ったまま嫣然(えんぜん)と見下していた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...令嬢も嫣然(にこやか)にお礼を返した...
夢野久作 「超人鬚野博士」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??