...帷(とば)りが上がって……ほかならぬ当のグルーシェンカが嫣然(えんぜん)と笑いこぼれながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...今日は薄化粧して嫣然(えんぜん)として待ちかねている...
中里介山 「大菩薩峠」
...おふさは揶揄ふ樣なあまえる樣な態度で又妙な聲を出して嫣然した...
長塚節 「おふさ」
...困(こま)らなどうもなあ」側(そば)からいつたので勘次(かんじ)は有繋(さすが)に嫣然(にこり)とした...
長塚節 「土」
...前へ立つて袖を横に引つ張つて見たりして白いしつけ糸をとつて口に入れては歯で噛みながら「もう何処へ行つてもようござんすよ」おいよさんは衣物をとりながら私を見て嫣然とした...
長塚節 「隣室の客」
...おいよさんが嫣然とする時には屹度口が小さく蹙まつて鼻の処に微かな皺が寄るのであつた...
長塚節 「隣室の客」
...嫣然(えんぜん)...
野村胡堂 「江戸の火術」
...嫣然(えんぜん)としたお篠の笑顔が現われます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嫣然(えんぜん)としたお篠の笑顏が現はれます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎親分」それを嫣然と迎えるお栄は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嫣然(えんぜん)とした表情も大きく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...醉ふと申ますから驚いてはいけませぬと嫣然(につこり)として...
樋口一葉 「にごりえ」
...醉(ゑ)ふと申(まをし)ますから驚(おどろ)いてはいけませぬと嫣然(につこり)として...
樋口一葉 「にごりえ」
...手を敲(たた)けば盃酒忽焉(こつえん)として前に出(い)で財布を敲(たた)けば美人嫣然(えんぜん)として後に現る...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...嫣然媚二初旭一とも妝凝朝日麗とも詠じ...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...向うの隅に固まって煙草を吸っている刑事連に嫣然(えんぜん)と一礼した...
夢野久作 「女坑主」
...見物一同に向って嫣然(にこやか)に一礼をした...
夢野久作 「暗黒公使」
...嫣然(えんぜん)巧笑...
横光利一 「上海」
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