...」「嫣然」と言うのはここにいるうちに挨拶(あいさつ)ぐらいはし合うようになったある十五六の中学生だった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...それ以来彼は僕等の間(あいだ)に「嫣然」と言う名を得ていたのだった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...』と嫣乎(につこり)...
石川啄木 「鳥影」
...嫣然(えんぜん)と笑った...
江戸川乱歩 「影男」
...連城はながし目をして振りかえりながら白い歯を見せて嫣然(にっ)とした...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...嫣然(えんぜん)たるもの...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...女が嫣然(にっこり)笑って...
中里介山 「大菩薩峠」
...おふさは揶揄ふ樣なあまえる樣な態度で又妙な聲を出して嫣然した...
長塚節 「おふさ」
...前へ立つて袖を横に引つ張つて見たりして白いしつけ糸をとつて口に入れては歯で噛みながら「もう何処へ行つてもようござんすよ」おいよさんは衣物をとりながら私を見て嫣然とした...
長塚節 「隣室の客」
...嫣然(えんぜん)たる毒を血管に吹く...
夏目漱石 「草枕」
...乳母(うば)の元(もと)の娘の秋でございます」嫣然(えんぜん)とした年増...
野村胡堂 「十字架観音」
...嫣然(えんぜん)とした表情も大きく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...チョイト昇に一礼したのみで嫣然(にっこり)ともせず...
二葉亭四迷 「浮雲」
...嫣然(えんぜん)一笑しながら昇の顔を窺(のぞ)き込んで...
二葉亭四迷 「浮雲」
...手を敲(たた)けば盃酒忽焉(こつえん)として前に出(い)で財布を敲(たた)けば美人嫣然(えんぜん)として後に現る...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...見物一同に向って嫣然(にこやか)に一礼をした...
夢野久作 「暗黒公使」
...嫣然(えんぜん)巧笑...
横光利一 「上海」
...奴隷の臆病な犬のような二つの細い眼に嫣然(えんぜん)と微笑を投げて...
横光利一 「日輪」
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