...松源の池が横町にあるあたりで威勢よく...
泉鏡花 「薄紅梅」
...松島座前にはいつも幟(のぼり)が威勢よくはためいて...
太宰治 「惜別」
...黒鴨仕立(くろかもしたて)のりっぱな車に町の医者らしい鬚(ひげ)の紳士が威勢よく乗って走らせて行くのもある...
田山花袋 「田舎教師」
...いつも威勢よく鈴の音をさせて山を越えたり野を越えたりして停車場の方へ行く駄馬の群にも滅多には出会わなかった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...と実に威勢よくまくし立てたものだ...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...それでも彼は昼間は威勢よく馬を曳いて出た...
長塚節 「太十と其犬」
...ところへ三重吉が門口(かどぐち)から威勢よく這入(はい)って来た...
夏目漱石 「文鳥」
...畜生奴(ちくしょうめ)ッ」「痛いッ」平次の手は威勢よくガラッ八の背をなぐったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若くも威勢よくもあるのですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤くゆであげられた海老(えび)のようなものが威勢よく鋏(はさみ)をのばし...
久生十蘭 「キャラコさん」
...こちらは威勢よく国旗をひきおろそうというわけだったんだ...
久生十蘭 「だいこん」
...酒を一樽あけて威勢よく分配してしまった...
久生十蘭 「ノア」
...ダイヤの一か二の札を威勢よく打ち出してやろうなどという飛んでもない野心でうずうずしているような手を授かっており...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...其時ガラガラという車の音が門前に止って、ガラッと門が開(あ)くと同時に、大きな声で、威勢よく、「お帰りッ!」形勢は頓(とみ)に一変した...
二葉亭四迷 「平凡」
...威勢よく上着を脱いで傍らの椅子に投げ棄てる者もあつた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...いくら面白く威勢よく暮したってただ三十年では詰まらないやと呟(つぶや)いた...
南方熊楠 「十二支考」
...若い衆子供はそれぞれ揃(そろ)いの浴衣で威勢よく馳け廻る...
水上滝太郎 「山の手の子」
...ジヨバンニは俄かに顏いろがよくなつて威勢よくおじぎをすると...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
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