...「お願いでございますから、どうぞ今日のことは、お見逃しを願います、私ばかりでない、こんなことが表沙汰になりますと、主人がどんな目に逢うかも知れませんから……」「……乃公(おいら)は、先月死んじゃった女房に逢いたくなって、江戸からわざわざやって来た者だが、考えてみれば、此方が痴(ばか)さ、やかましく云や、かえって耻さらしだ……」と云って、小八はまた心を女の方に向けて、「どうだ姐さん、お前もこんな処で、幽霊の真似をしていたところで、別に好い芽も出ないだろう、これから乃公と江戸へ往って、いっしょに暮そうじゃないか」女は厭と云った後の男の怒が恐ろしかった...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...赤い腰巻をまくつた姐さんや...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...井上さんと姐さんとの間には...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...家は梅葉姐さんの持ち物で...
豊島与志雄 「高尾ざんげ」
...」「それじゃ姐さん...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...昨夜の一埒(らつ)を聽いたんですか、姐さん」「いえ、あの人はお上の御用向のことと言ふと、何んにも言はないんです」お靜には少し怨(ゑん)ずる色がありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俺だつて大箆棒だぜ」「お靜姐さんといふものが付いてまさあ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「親分」「うるせえな」「姐さんはいったい何処へつれて行かれたでしょう」「――」「せめて見当でも教えて下さいよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いかにお靜姐さんがお勝手で聽いてゐるにしても」「つまらねえ氣を廻しやがる」「その薄墨が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お靜さんといふ姐さんがあるんぢやありませんか」「馬鹿なことを言へ」「兎も角も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――松葉姐さんは...
林芙美子 「瀑布」
...……お姐さん、番茶でも」「はい、おおきに」ヨネは、お茶を飲み、十分ほど、話して帰った...
火野葦平 「花と龍」
...「姐さん、おはいんなさいな...
平出修 「瘢痕」
...萬朝をはじめ弟子たちも姐さん姐さんとよくなついて始終出入りしだした...
正岡容 「小説 圓朝」
...「姐さん御飯(ごぜん)のほうを御願いしますよ」今時分になっててれたように奥を見て言った...
正岡容 「寄席」
...お誂(あつらへ)は?」いかにも牛屋の姐さんらしい大柄の女中が...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...吉兵衛がお静に、「姐さん、石松つあん帰ってるだろう?」「兄さん?」「帰ってるだろう」「いいえ、……兄さん、帰って来ますの?」「なんだ...
山中貞雄 「森の石松」
...姐さん」「そうかもしれないわね」松吉がふとからかうような眼を向けた...
山本周五郎 「風流太平記」
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