...赤い唐縮緬(とうちりめん)を着た姐さんでも...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...「家、そこの草っぱらですか、家なんかありませんよ」「ないことがあるものか、小さな家だよ、家のあることは事実だが、その家にいる者が問題だよ、姐さんは近比(ちかごろ)ここへ来たのだね」「でも、もう三年になりますよ、家なんかがあるのでしょうか、私たちは狐(きつね)が怖いのですから、夜なんか通ったことがありませんが」「おかしいぞ、だが、姐さんは、通らないから知らないかも判らない、まあ、後で往ってみよう」益雄と画家は茶をそこそこに飲んで庭へおり、裏口の針金をもうしわけに引いた柵を跨(また)いで草藪(くさやぶ)へ往った...
田中貢太郎 「草藪の中」
...それはお茶屋の姐さんの顔に...
種田山頭火 「行乞記」
...ほて、ここへ入っておいでやした時、お園さんの顔を見ると、私すぐ、お園さん三野村さんが死なはりました、こっちゃは大きな声でいいましたけど、お園さんはびっくりともしやはらんで、ただ一と口そうどすかおいいやしたきりどっせ、姐さん...
近松秋江 「霜凍る宵」
...姐さんを子供の時分から知ってますよ...
富田常雄 「刺青」
...或る日姐さんから少し手きびしい注意を受けて...
豊島与志雄 「死の前後」
...だから若し昔風の婆さんや姐さん...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...俺なんかも忠義や孝行とは縁のない人間かも知れないな」「尤もお靜姐さんは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨夜の一埒(らつ)を聽いたんですか、姐さん」「いえ、あの人はお上の御用向のことと言ふと、何んにも言はないんです」お靜には少し怨(ゑん)ずる色がありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「どうだい姐さん...
橋本五郎 「地図にない街」
...後(あと)で姐さんお前が困りゃしないか...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...そして姐さん被りの手拭をとり上げられた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...お蝶のことを姐さん/\と称んでゐる若い芸者の百合子を相手に...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...いったいどんなにあたったんですネ姐さん」「ホーラ...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...吉兵衛がお静に、「姐さん、石松つあん帰ってるだろう?」「兄さん?」「帰ってるだろう」「いいえ、……兄さん、帰って来ますの?」「なんだ...
山中貞雄 「森の石松」
...姐さん」「そうかもしれないわね」松吉がふとからかうような眼を向けた...
山本周五郎 「風流太平記」
...姐さんの松吉が「船宇」という船宿へ出ているが...
山本周五郎 「風流太平記」
...人手が足りないからお染姐さんも派出に出る...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
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