...始めのうちは葉子もそれを木部の詩人らしい無邪気さからだと思ってみた...
有島武郎 「或る女」
...始めのうちは声が小さかったがだんだん大きくなって数もふえて来た...
有島武郎 「或る女」
...始めのうちは、おぬいさんがつかえるとすぐに見てやっていたが、だんだんそんな注意は遠退いて、ほれぼれとその声に聴き入らずにはいられなくなった...
有島武郎 「星座」
...絶対に科学者ではない」「科学者の要るのは始めのうちだけです...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...始めのうちは私がナオミの機嫌を取ってやっている...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...始めのうちは二人は別に親しい仲ではありませんでした...
土田耕平 「時男さんのこと」
...あひるは始めのうちは見るには見ても...
寺田寅彦 「沓掛より」
...始めのうちはただ読みっ放しにしていたが...
寺田寅彦 「マルコポロから」
...始めのうちは、上げた頭が落ちながらだんだんうっとりして、うっとりの極、胸の上へがくりと落ちるや否や、一足飛(いっそくとび)に正気へ立ち戻ったが、三回四回と重なるにつけて、眼だけ開(あ)けても気は判然(はっきり)しない...
夏目漱石 「坑夫」
...尤も始めのうちは色々支店長に建策した事もあるが...
夏目漱石 「それから」
...始めのうちこそ皆(みんな)珍らしがって...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...きっとあれに違ないわね」小六は始めのうち何にも口を出さなかったが...
夏目漱石 「門」
...その晩、主人の部屋に泊ったのは、相模女のお村(むら)、始めのうちは、大きい眼を開いて、看護(みと)るつもりでしたが、次第に猛烈に睡気(ねむけ)に襲われると、我にもあらず、健康な鼾(いびき)をかいて寝込んでしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...始めのうちはなほ使用せられて居つたことは...
濱田耕作 「石鏃の思出話」
...それも始めのうちだけで...
平山千代子 「お泊り」
...始めのうちは、条理が立って居たのが次第に怪しくなって、仕舞いには、何を云おうとするのか、文句が断れぎれで、訳のわからないことを口走るようになった...
宮本百合子 「或日」
...始めのうちは「自分が打たれる理由はない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...蕨(わらび)が半身を現わしていた,われわれはこれを見ると,そらそこにも! おお大層に! ほらここにも! なんとまア! などとしきりに叫びながら小躍(こおど)りをして採り始めた,始めのうちは皆一とこで採ッていたが...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??