...姉は疑深い眼をして鞭(むちう)つやうにお末を見た...
有島武郎 「お末の死」
...家族は私の後から一先づ小樽にゐた姉の許へ引上げる事にした...
石川啄木 「札幌」
...従(じゅ)五位勲(くん)三等、前(さき)の軍医監、同姓英臣(ひでおみ)の長男、七人の同胞(きょうだい)の中(うち)に英吉ばかりが男子で、姉が一人、妹が五人、その中縁附いたのが三人で...
泉鏡花 「婦系図」
...姉上、これでいくらかはこの都の持つ華麗さ、絢爛(けんらん)さ、高雅さが貴女にも御想像がお付きになりましたでしょうか?しかもその優美さ絢爛さにも増して、数百人の侍女や奴隷たちから姫君と尊(あが)められているロゼリイスの美しさ、気高さというものは!ふさふさと豊かに垂れた金髪に桃金花(てんにんか)の花綵(はなづな)を結んで、薔薇色の頬、蒼穹のように澄み切った眸(ひとみ)! 雪白の綾羅(うすもの)の裳裾(もすそ)長く地に曳きながら、今私の方へ歩み寄ってくる姿というものは、背後の女神彫像と妍(けん)を競わんばかり、神々しいまでの美しさに見えました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...自分達姉妹のうちで一番と云ってもよいくらい優しいところのある姉を...
谷崎潤一郎 「細雪」
...」母と姉とは眼を見合せた...
豊島与志雄 「黒点」
...上の姉の綱手が上り口に立って...
直木三十五 「南国太平記」
...忙(せわ)しい姉の手伝でもしたら好かろうと注意したかったが...
夏目漱石 「門」
...と姉娘に縁談が起った...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...其外の姉妹にも同様壻養子して家を分つこと世間に其例甚(はなは)だ多し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...父宮と姉君に死に別れたあとでは片時も生きていられないように故人を恋しく悲しく思っていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...姉はその顔を何時ものように不思議そうにながめ...
室生犀星 「童話」
...姉なしに私の少年としての生活は続けられなかったかもしれない...
室生犀星 「幼年時代」
...姉は悲しんだが、すぐ隣家だったので、いつでも会えると言って諦めた...
室生犀星 「幼年時代」
...」前年九月八日に歿した棠軒の姉があつた事は上(かみ)に見えてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この父母も兄や姉たちも...
山本周五郎 「やぶからし」
...姉に突き放された花世は、悲鳴のように、姉を呼びながら、岩の砕片の山を、這い登って来た...
山本周五郎 「山彦乙女」
...姉上様の御名前は...
夢野久作 「白髪小僧」
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