...「姉さんと結婚して下さい...
太宰治 「清貧譚」
...昨日の電話では泣き声出して、あたしが涙こぼして話しても誰も相手になってくれへん、幸子ちゃん是非聞きに来てほしい云うてた癖に、今日行ってみたら、蔵の中へ這入ったきり、荷物の整理に夢中になってて、『姉ちゃん』云うたかて返事もせえへんなんだわ」彼女は夕方帰って来ると、妹たちとそんな噂(うわさ)をしたが、「そう云う人やわ、姉ちゃんは」と、雪子も云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつもなら姉ちゃんも一緒でなければなどと駄々(だだ)を捏(こ)ねずには措(お)かないところを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうっと私の耳のところに口を持ってきて押っつけるようにしながら「それからなお姉さんがこんなことをいうてはりました...
近松秋江 「霜凍る宵」
...たとえば最後の場面でお染(そめ)が姉夫婦を見送ってから急に傷の痛みを感じてベンチに腰をかけるとき三味線がばたりと倒れるその音だけを聞かせるが...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...それとも駿河の方へ帰りますか」「それは姉さん次第」「それなら皆さん...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人の姉妹に逢ひたい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飯だけ近所の姉のところから運んで貰つてるンさ……」さう云つて...
林芙美子 「下町」
...我れ寮住居に人の留守居はしたりとも姉は大黒屋の大卷...
樋口一葉 「たけくらべ」
...姉さん姉さんと慕ッてくれて...
広津柳浪 「今戸心中」
...あの小さい姉とこの地蔵尊のお祭りしたことも...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...姉はその顔を何時ものように不思議そうにながめ...
室生犀星 「童話」
...姉はいつも弟のうしろ姿を見送らないことにしていたので...
室生犀星 「童話」
...按ずるに後年蘭軒の姉正宗院の寿宴のとき...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「もしかするとって、思ったけれども、やっぱり知也さまだわ、大掃除が始まるのね、きれいさっぱりと、誰がどうなって誰がどうなるか、ともかく新しい風が吹きだすんだわ、お姉さま、勇気をおだしになってね、……文代はどんなにでもお力になるわ、こんどこそ本当にお姉さまらしく生きる機会よ」「もう心配は御無用、勇気はだしているわ」「きっとよ、約束してよ、これでわたくしの夢がかなうわ」文代は三日にあげず来て、いろいろの情報を伝えた...
山本周五郎 「めおと蝶」
...秀吉の姉婿(むこ)として...
吉川英治 「新書太閤記」
...板新道(いたじんみち)の三人姉妹(きょうだい)のうちで一番悧巧者(りこうもの)らしくて...
吉川英治 「松のや露八」
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