...私と私の姉の二児を抱いて独立してゆけなかったからである...
上村松園 「母への追慕」
...姉ちゃん」「分ってる...
谷崎潤一郎 「細雪」
...書かされる姉ちゃんも姉ちゃんやないの」「兄さんの顔を蹈みつけにして本家の方へは少しも帰って来てくれず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ここにいる子の兄や姉である...
壺井栄 「二十四の瞳」
...姉は私を待ちあぐんで...
富田木歩 「小さな旅」
...」とわたしは義姉を呼び止めて...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...「あっちの姉さんも大変に喜んでたわ...
永井荷風 「すみだ川」
...後(うしろ)の方に姉(あね)と兄(あに)と父(ちゝ)がかたまつてゐた...
夏目漱石 「それから」
...――妹のお袖から聞いた姉のお幾は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...姉さんのしたことは本妻のすることなのだ」六代目菊五郎のその銹(さび)た声が室の外まで聞える...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...姉さんにすれば、啓坊だって可愛いさ、腹を痛めて産んだ子供だものねえ……」「可愛いければ何も……」「連れて行けばいいっていうんだろう...
林芙美子 「泣虫小僧」
...姉たちは壕の中で戦きつづけた...
原民喜 「廃墟から」
...すると、あのとき、誰か芦の間にひそんでいたのでございますね」「こんどのご上京は、もっぱら、そのためだけのように伺っておりますので、大切な折を、おはずしになるようなことは、なかったろうとぞんじます」老人はちょっと頭を低めて、「わたしから、お礼をいう筋ではありませんが、それほどにしていただきまして、さぞかし、故人も恐悦したことでしたろう」冬木へも、軽く目礼をすると、いつとなく笑顔をおさめて、「さきほどのくりかえしになりますが、文滋大姉も、あなたのおいいつけどおり、この一年の間、越後の雪の中で謹(つつし)んでおりまして、相当、むずかしいところを、やりとおしたように見受けられますので、そこまでなすってくだすったついでに、いっそ、越後からお迎い取りくださるわけには、まいりませんでしょうか」冬亭は頭をさげて、「さきほどから、さまざまご懇情をいただきまして、ありがたくぞんじておりますが、わたくしのほうにも、ひとつ、おねがいがございますのです」「どういうことでございましょうか」「どんな事情がありましょうとも、ただ一人の肉親を捨て去るというのは、由々しいことでして、あなたさまといたしましては、ゆるしがたく、お思いになっていられることとぞんじますが、あの方も、そのためにいろいろとお苦しみになり、十分に、むくいも受けていられるのでございますから、それにめんじて、まげて、もとどおりに、お戻しねがいたいのでございます」老人は背筋を立てると、いかめしい顔つきになって、「せっかくのお言葉ですが、文はもうこの世のものではありません...
久生十蘭 「西林図」
...それもじきと私の方で飽きが来てふとしたことから腕白が出ては姉を泣かすのでお祖母様や乳母に叱られる種となった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...幾何をやろうかと思ったら国男さん曰く、「姉さん、そりゃあ頭を使い過ぎるよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...手拭代用の姉さんかぶりに移っていきそうな危険もある...
柳田国男 「雪国の春」
...相手の男なんてどんな顔だったかも忘れてしまいました」姉のおりつはいちど逃げたが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「ホホホホ、お姉さまが、お姉さまが」おや屋は欣(うれ)しがって、思わず鞠(まり)を宙へ抛(ほう)った...
吉川英治 「新書太閤記」
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