...赤坊の泣くのに困(こう)じ果てて妻はぽつりと淋しそうに玉蜀黍殻(とうきびがら)の雪囲いの影に立っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...その妻君を射殺してしまうなんて...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...正造は横浜にいる原田勘七郎たけ子の夫妻を訪ねて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そっと老妻が二階へあがって来て...
太宰治 「姥捨」
...その後妻の身だしなみが前よりは念入りになり...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...妻はとっさに引っ込もうとする素振りを見せましたが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...けれども池田氏夫妻は心から喜んで食べてくださった上...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...妻も上つて来た...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...梵妻(だいこと)の持って来たお茶を...
本田親二 「□本居士」
...馭者台にならんでゐるチル子と妻であつた...
牧野信一 「山峡の村にて」
...龍動(ロンドン)の西南區に英人を妻とし棲み...
南方熊楠 「秘魯國に漂著せる日本人」
...」妻もその女の子のメリンスのきものを...
水上滝太郎 「遺産」
...父は私を家庭に置くことさへ後妻に遠慮して私を仕立屋の叔母の家へ弟子入りさせたりした...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...自分が得なかった場合にはこのすぐれた人は他人の妻になっているのであると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたくしは過去帳五月十日の条にある「遊蝶院得夢定見大姉、池田全安妻、俗名蝶」を以て初代全安の妻となすのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...先代の妻は実に優しい女で...
森鴎外 「蛇」
...」と暫くして妻はいった...
横光利一 「花園の思想」
...妻子の顔も見られぬと...
吉川英治 「私本太平記」
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