...前とは全然違つた意味で妬ましい感情とが交つてゐた...
芥川龍之介 「秋」
...兎に角、一緒になつた男に、つい一年か一年半前こんな事實があつたのかと考へて、憎いやうな、妬ましいやうな、馬鹿らしいやうな、詰らないやうな、氣をその胸にかはる/″\起してゐたらしい...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...義雄自身がそれを私かに妬ましく思つたことも覺えてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」ガウスゴフェルは妬ましげにチェルパスを見た...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...さうして照ちやんのもう此方(こつち)の仕事には氣が添はず何かそは/\としてゐるのを心の底で腹立たしく妬ましく思ふのであつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...ドリスの逢ったと云う人が皆妬ましい...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...自分一人で妬ましそうにその用をしていた...
豊島与志雄 「神棚」
...直吉には妬ましかつた...
林芙美子 「瀑布」
...白い指にルビーの指輪が光つてゐるのを直吉は掠めるやうに眼にとめて妬ましかつた...
林芙美子 「瀑布」
...一種の忌々しさと妬ましさを覚えながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...波うつて垂れてゐる亜麻いろの頭髪(かみ)にかざされた大理石のやうな頸をば妬ましげにうつす鏡の前で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...決して妬ましいという心など微塵も起らなかった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...」私は妬ましいような...
室生犀星 「幼年時代」
...主(しゅ)の体さえ妬ましくなるのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それを主人は妬ましげに見てゐるらしい...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...それが妬ましく思われるのか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...『僕は永遠に亡びることのない美が妬ましい...
渡辺温 「絵姿」
...僕は僕の肖像画が妬ましい...
渡辺温 「絵姿」
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