...思案(しあん)と妍(けん)を競う中にも美妙の「情詩人」が一頭(いっとう)地(ち)を抽(ぬき)んでて評判となった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...劉晨阮璧入二天台一採レ薬、不レ得レ返経二十三日一飢遥望二山上有二桃樹一、(中略)二数枝一飢止体充欲二下レ山以レ杯取一レ水見二蕪青葉流下一、甚蘇妍、復有二一杯流下一、有二胡麻飯一、焉、乃相謂曰、此近レ人矣、遂渡レ江出二一大渓一、渓邊有二二女子一、色甚美、見二二人持一レ盃笑曰、劉阮二郎、捉二向杯一、求、劉阮驚、二女遂忻然如二旧識一、曰来何晩耶、因邀還レ家、西壁東壁、各有二絳羅帳一、帳角懸レ鈴、上有二金銀一交錯、各有二数侍婢一、使レ令、其饌有二胡麻飯一、山羊脯牛肉、其美、食畢行レ酒俄有二群女一、持二桃子一笑曰、賀二汝婿来一、酒酣作レ楽夜後各就二一帳一宿、婉態殊絶、至二十日一求レ還、苦留半年、気候草木、常是春時、百鳥啼鳴、更懐レ故郷、帰思甚苦、女遂相送示二帰路一郷邑零落、已十世矣、浦島の玉匣箱は、長生不老の呪力を籠めたるものにして、こは呪力信仰の説話に見えたる一例として、観察す可き者なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...何処ともなく微妙な鈴の響が聞えて一匹の駝鳥が花束を飾った妍麗な小車を曳いて走って来ました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...昏暮なれば貌の妍※...
内藤湖南 「寧樂」
...百花妍(けん)を競つて咲き亂れることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私はテルヨの妍麗さに止惑ふばかりなのだ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...妍華(けんか)平生に異ならざるを覩(み)...
南方熊楠 「十二支考」
...薫(かおる)は女王(にょおう)のいずれもが劣らぬ妍麗(けんれい)さの備わったその一人と平淡な話ばかりしたままで別れて行くのを飽き足らぬここちもしたのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...用筆設色倶妍麗...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...花薫々処月妍々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...妍(かほよ)き少女(をとめ)の巴里(パリー)まねびの粧(よそほひ)したる...
森鴎外 「舞姫」
...妍(かほよ)き少女の巴里まねびの粧したる...
森鴎外 「舞姫」
...画楼丹彩妍...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一粒一粒に星の光が妍(けん)を競っているようです...
吉川英治 「江戸三国志」
...おまえは妍(けん)をこらして...
吉川英治 「三国志」
...華棟(かとう)の妍(けん)...
吉川英治 「三国志」
...その妍(けん)なる美なる楚々(そそ)なること...
吉川英治 「新書太閤記」
...見る人もなく妍(けん)を競(きそ)っているのだった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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