...妄りに猥雑の言を弄し...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...少し毛色が違つたかと思つて能く/\聞くと妄想組織が脳に生じたのを白状してゐる態(ざま)だ...
内田魯庵 「犬物語」
...「妄想」「煩悩」を吹き消した「大安楽の境地」をいうのです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...先君(せんくん)道三入道殿(にゅうどうどの)の修羅(しゅら)の妄執(もうしゅう)を晴らす存念でござる」それは背のずんぐりした白髪(しらが)の眼だった男であった...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...私の妄想は日増しに狂暴になって行き...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...酌(く)めども盡きない妄想がそこから幾らでも湧いて来て...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...恐くは一種(いつしゆ)の妄信(もうしん)の爲...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...私には綺麗(きれい)な花を罪もないのに妄(みだ)りに鞭(むち)うつと同じような不快がそのうちに籠(こも)っていたのです...
夏目漱石 「こころ」
...然ルニ汝三寸ノ贅物妄リニ喋々トシテ遂ニ意外ノ禍害ヲ招キ...
成島柳北 「祭舌文」
...容易ならぬ妄執(まうしふ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たとへそれが虚妄の幻覺であるとしても...
萩原朔太郎 「宿命」
...ほんの妄想(ぼうそう)だ...
二葉亭四迷 「平凡」
...それは不思議な妄想ですな...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...――それでも私の妄想は止むで呉れません...
牧野信一 「青白き公園」
...その面白くなかつたといふのが不道徳な妄想の戯れに過ぎなかつたのを後悔した...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...すべての妄想と恐迫観念のクモの巣を払い去って...
三好十郎 「俳優への手紙」
...妄断耳...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「妄想スル勿(ナカ)レ...
吉川英治 「私本太平記」
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