...憂鬱症(メランコリヤ)が誇大妄想狂や躁狂に比して一層不幸だと同じ意味に於いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...かくのごとき妄説を唱え起こすに至ったのである...
井上円了 「おばけの正体」
...少し毛色が違つたかと思つて能く/\聞くと妄想組織が脳に生じたのを白状してゐる態(ざま)だ...
内田魯庵 「犬物語」
...俺の父と母とのあの血みどろの妄執(もうしゅう)を...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...自分の頭の中で勝手気儘な空想妄想を画きながら...
大杉栄 「鎖工場」
...いよ/\日頃の妄想の實現される時が來たのだと思ふと...
永井荷風 「或夜」
...さらずば御胸(おむね)にうかぶ妄想(ぼうさう)のすて所(どころ)...
樋口一葉 「軒もる月」
...畢竟この偽君子の多きもその本(もと)を尋ぬれば古人の妄想にて...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...実在の苦境(くぎょう)の外に文三が別に妄念(もうねん)から一苦界(くがい)を産み出して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「妄想患者」といふのは今迄書いたものゝうちでも一番長いものだから...
牧野信一 「予が本年発表せる創作に就いて」
...その妄斷に過ぎざるを諭し易かるべし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...あの男はとうとう追躡(ついじょう)妄想で自殺してしまった...
森鴎外 「沈黙の塔」
...妄信したと申したいほどでございます...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多神教の迷妄と基督教の真理を論証したのである...
矢内原忠雄 「読書と著書」
...曰く「然し狂妄なりとも宿志も有之事と相見候へば」と襄の挙動は如何にも狂妄に見へしなるべし...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...驚くべき妄動(もうどう)というほかはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう途中の妄智(もうち)や煩雑(はんざつ)な是非はもたない...
吉川英治 「源頼朝」
...またどうにもならない迷妄がわいてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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