...召使いの奉公人にまでも如才なくお世辞を振播(ふりま)いて...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...私ども下々の者にも如才なく御愛嬌を振撒き...
太宰治 「右大臣実朝」
...」と女は如才なく店の閑(ひま)なことを零(こぼ)した...
徳田秋声 「足迹」
...顔を合わすと如才なく親切な口をきいた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...如才なく切って回す力量なきかわりには...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...米友も如才なく合わせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...如才なく後戻りをしてみせる...
中里介山 「大菩薩峠」
...如才なく丸山勇仙が猪口(ちょこ)をつきつけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただしラヴしてもラヴされてもこれは困る故その辺は御如才なく...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...若い時には隨分いろ/\の事もやつたやうですが、それだけ人間が揉(も)めて、如才なくて、器用で、お雛や重三には好い相手だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その方が早いぞ」白旗(しらはた)直(なお)八は如才なく仲裁説を出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その方が早いぞ」白旗直八(しらはたなおはち)は如才なく仲裁説を出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あたしは如才なく加代姫に念をおして見ましたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いよ/\堪らなくなつて家に駈け込むまで如才なく相手をしてゐた...
牧野信一 「F村での春」
...如何でしょう」男は如才なくいった...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...「あれはジェンキンさんじゃアないかね」と如才なく訊ねた...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...吉宗は如才なく、「火急の場合とて、家来の暴言、悪く思うてくれ給うな」「何か、御城内に?」「オオ、御危篤」「えッ、家継公(いえつぐこう)が」「御不予(ごふよ)重(おも)らせられた御容子なるによって、急ぎ登営あるべしと、三家を初め、諸公がたへも、老中から御急使が廻ったばかりのところ」「では、いよいよ将軍家御代(ごだい)がわりか」「不吉な!」と、叱られて、万太郎もハッと口をつぐみましたが、「では、急ぎな矢先、これでお別れといたそう」「貴公は」「……む、自分は今、根岸の方に」「兄上の尾州殿のお姿も、ついその辺でお見かけいたしたが」「や、兄貴が来る? それはいかん」と、万太郎はすこし狼狽(ろうばい)して、「自分もきょうは急ぎの出先、これで御免を」「オオ、こちらも火急なところ故、御免!」「いずれ!」「いずれ!」と双方、端的な会話を投げ合って、吉宗が江戸城へ鞭(むち)を上げてゆくと、万太郎も、笠を抑(おさ)えたまま、大名小路(だいみょうこうじ)の陰へと、逃ぐるがごとく馳けこみました...
吉川英治 「江戸三国志」
...その辺は如才なく...
吉川英治 「江戸三国志」
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