...かなり年増の如才ない如何にも目はしの敏く利きさうなキリツとした内儀(かみ)さんや...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...乙羽は三唖と違って如才ない利口者だったから...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...有松は如才ない男だ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...横着なような如才ないような複雑な気持が...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...悦子はああ見えて子供相応に如才ないところがあり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...隙間(すきま)があれば何処へでも喰(く)い込んで行くと云った風な如才ない男であるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...応対の如才ない実業家タイプで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうでなかったらいくら何でももう少し如才ない云い方があろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それでもお島の試された如才ない調子が...
徳田秋声 「あらくれ」
...へんに如才ないようにまたは愚鈍なようにも見せるのでした...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...如才ない富公は お嬢さん お嬢さん と機嫌をとつて...
中勘助 「銀の匙」
...悪者を取押えて頂きたいものでございます」佐五兵衛は如才ない調子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四十五六――充分に圓熟した肉體と智慧の持主らしく、如才ないくせに、いかにも尤もらしい阿星右太五郎でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世故にたけた如才ない医者が甘くさえしてやれば患者が悦ぶと思って矢鱈に甘味をつける水薬同様...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...これまでとてチチコフの如才ない応対の気持よさは十二分に認めていながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...如才ない支配人は特別親切に自ら分厚な宿帳を繰って...
松本泰 「緑衣の女」
...白鷹先生がドンナ態度をお執りになるか……如才ない方だから案外アッサリと御交際になるに違いないとは思うんですけど...
夢野久作 「少女地獄」
...中央の公卿仲間に如才ない者が...
吉川英治 「平の将門」
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