...かなり年増の如才ない如何にも目はしの敏く利きさうなキリツとした内儀(かみ)さんや...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...軍の組織に大童になっている一方、女王の意志ははっきりしないし、自分の職務には気を配らなければならないし、四方八方からせきたてられて疲労困憊しながら、それでもエセックスは時間とエネルギーの僅かな余裕を見出して、司法部内の大官へ三通の手紙を書いて、如才ない、熱をこめた文章で、自分の友だちを推挙した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...毎度ながら如才ないものだと感服した...
辰野隆 「芸術統制是非」
...夫人とも如才ない間であるから...
田中貢太郎 「白っぽい洋服」
...横着なような如才ないような複雑な気持が...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...………」貞之助は相手の如才ない言葉にほっとして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...へんに如才ないようにまたは愚鈍なようにも見せるのでした...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...如才ない富公は お嬢さん お嬢さん と機嫌をとつて...
中勘助 「銀の匙」
...さうして坂氏の悧巧な如才ない態度を見て世を容易に渡るにはあゝでなければ成らぬものかと思つた...
長塚節 「記憶のまゝ」
...悪者を取押えて頂きたいものでございます」佐五兵衛は如才ない調子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四十五六――充分に圓熟した肉體と智慧の持主らしく、如才ないくせに、いかにも尤もらしい阿星右太五郎でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世故にたけた如才ない医者が甘くさえしてやれば患者が悦ぶと思って矢鱈に甘味をつける水薬同様...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...如才ない受け答えをしようとして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...この地位までのぼって来た判官は如才ないものであった...
本庄陸男 「石狩川」
...如才ない支配人は特別親切に自ら分厚な宿帳を繰って...
松本泰 「緑衣の女」
...如才ないものだから...
三宅花圃 「藪の鶯」
...あの人はそういう如才ない人だし...
三宅花圃 「藪の鶯」
...白鷹先生がドンナ態度をお執りになるか……如才ない方だから案外アッサリと御交際になるに違いないとは思うんですけど...
夢野久作 「少女地獄」
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