...かなり年増の如才ない如何にも目はしの敏く利きさうなキリツとした内儀(かみ)さんや...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...乙羽は三唖と違って如才ない利口者だったから...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...夫人とも如才ない間であるから...
田中貢太郎 「白っぽい洋服」
...横着なような如才ないような複雑な気持が...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...しかし橋寺はああ云う如才ない愛想のよい人物であるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうでなかったらいくら何でももう少し如才ない云い方があろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...へんに如才ないようにまたは愚鈍なようにも見せるのでした...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...如才ない富公は お嬢さん お嬢さん と機嫌をとつて...
中勘助 「銀の匙」
...「昨夜は飛んだ事だつたね」平次は如才ないと思ふほど平明な態度で切出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何分頼むぞ」二千二百石取りの殿樣にしては如何にも如才ない調子でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世故にたけた如才ない医者が甘くさえしてやれば患者が悦ぶと思って矢鱈に甘味をつける水薬同様...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...如才ない受け答えをしようとして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...キミは分別があり、如才ないし、勇気がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...この地位までのぼって来た判官は如才ないものであった...
本庄陸男 「石狩川」
...如才ない応対振り...
山本笑月 「明治世相百話」
...白鷹先生がドンナ態度をお執りになるか……如才ない方だから案外アッサリと御交際になるに違いないとは思うんですけど...
夢野久作 「少女地獄」
...如才ない柴田勝家は...
吉川英治 「新書太閤記」
...その礼儀に対して、この若い都会人たちは、(柳生も、如才ない)とか、(怖れをなして敬遠した)とか、(大した人物もいないらしい)とかいう風に、自己満足な解釈を下して、得々(とくとく)と、旅の垢(あか)を洗っている――今し方、親しく足で踏んで、小柳生城の外廓から、土俗人情を実地に見て来ている武蔵にとっては、彼らのそうした得意さと勝手な受け取り方が、笑止でならなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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