...醜聞さへ起し得ない俗人たちはあらゆる名士の醜聞の中に彼等の怯懦(けふだ)を弁解する好個の武器を見出すのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...好個の台石を見出すのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...――「麒麟(きりん)」の冒頭の数頁は直(ただ)ちにこの興味を与へる好個(かうこ)の一例となるであらう...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...また品性の高潔な公共心の厚い好個の青年実業家として...
有島武郎 「或る女」
...まさに好個の山水図であった...
上村松園 「中支遊記」
...そいつが聞きものだね」「好個(こうこ)の探偵小説だね...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...入獄の好個の紀念として永久に保存せしめたいものだと思っている...
大杉栄 「獄中消息」
...好個の例証たるを得可し...
高木敏雄 「比較神話学」
...アマチュア昆虫生態学者(こんちゅうせいたいがくしゃ)にとっては好個のテーマになりはしないかという気がしたのであった...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...それにもかかわらず物理学をデモンストレートする先生がたはなかなかこの目前の好個の問題を手に取り上げて落ち着いて熟視しようとはしないのである...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...自ら兩樣の意匠ありて好個の對照を爲せり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そのまま泰平の春を謳(うた)ふ好個の画題に御座候...
中里介山 「大菩薩峠」
...第八章チチコフの農奴買入れは好個の話題になった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...少なくもアラビアに接したことが好個の刺激にはなったろう...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...それは好個な審美的ならびに経済的標準を投じた...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうして材料としては芭蕉の如き好個のものがあるのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...近時出版になつた「和紙風土記」は好個の入門書であつて...
柳宗悦 「和紙十年」
...いかに移り変って行くかを示すべき好個の一例ということが出来る...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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