...帝国ホテルの屋根は矢張り好もしい...
高浜虚子 「丸の内」
...版画のあの落ちついた好もしい色彩の美は結局板木とバレンとの工作によって自然に出る色彩の綜合的妙味であって...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...わずかに円城寺の智證大師坐像の好もしい作が頭に浮ぶくらいである...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...彼にはそれがひどく好もしいものに思えるのだったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...勿論それは好もしいことであると同時に...
中原中也 「よもやまの話」
...これも私の見た内で好もしい映畫の一つだ...
南部修太郎 「文藝作品の映畫化」
...おっとりと結びついた姿も好もしいものだ...
久生十蘭 「あなたも私も」
...じかに何か好もしい風景にでも触れているような...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...かへつて大層好もしい場所になつてゐるかのやうな言ひぶりだつたが...
堀辰雄 「おもかげ」
...毎年違った人達――或(ある)年には外人の一家もいたことがある――が出たり入ったりしているのがちょっと好もしい眺(なが)めだった...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...これは余り好もしい癖ではないと思ふ...
牧野信一 「海浜日誌」
...やつぱり村の野天やアバラ屋で古風な蓄音機に合せて村の友達連と踊るよりは此方の方が遥かに好もしい...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...好もしいこととして信じてゐた...
牧野信一 「競馬の日」
...どちらかと問はれゝばこの種の職人の方が好もしい...
牧野信一 「毒気」
...わしは相変らず彼が好もしいよ」と...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...今宵(こよひ)は彼女といふ人の前に一個の好もしい下宿人であらねばならなかつたから...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...枝ぶりも好もしいし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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