...放って置けば自然に好くなるよ」そう云っているのは高夏である...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...もう好くなっているじゃありませんか」私も少し声を低くした...
近松秋江 「霜凍る宵」
...結婚はあまり彼女の心に染まぬものであったが、彼女はよく夫婿に仕えて、夫婦仲も好く、他目(よそめ)には模範的夫婦と見られた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...重(おも)に銀座辺の飲食店やカッフェーの女の噂(うわさ)をかく余り性(たち)の好くない小新聞(こしんぶん)に...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...天気の方でも是非好くならなくっちゃならなくなる」「そんなに天気を賞めていたのかい...
夏目漱石 「それから」
...早く養生して早く好くなって...
夏目漱石 「明暗」
...猫のほうはいよいよ私を好くようになってくるようだった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...好く酒飲みの友達などと彼が...
牧野信一 「鏡地獄」
...」母は、好くさう云つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...景気好く笑つたのである...
牧野信一 「環魚洞風景」
...……」「何だか馬鹿に騒々しくて電話が好く聞えないんだが……」「さつきから降り出したので...
牧野信一 「円卓子での話」
...酒癖の好くない人だ...
牧野信一 「妄想患者」
...体格が好く、押出しが立派で、それで目から鼻へ抜けるように賢く、いつでもぼんやりして手を明けていると云うことがない...
森鴎外 「じいさんばあさん」
...その物の姿が好くは見えなかったが...
森鴎外 「渋江抽斎」
...程好く享受していると云う風の生活を...
森鴎外 「百物語」
...甲板球戯(デツキビリヤアド)は我我(われわれ)に最も好く時間を費させ且(か)つ運動にもなるが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...壁に掛けて置いたキユビストの絵を見附けて「あなたは這麼(こんな)物を好くか」と云ふから...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...この時のピサロの心境は好くは解らないが...
和辻哲郎 「鎖国」
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