...ときに亭主に黙つて好きな陶器や家具を買うくらいが関の山である...
伊丹万作 「わが妻の記」
...「こんどは魔子の好きなだけ幾つ泊って来てもいいんだがね...
大杉栄 「日本脱出記」
...物好きな婦人の出現を待つより他は無い...
太宰治 「小さいアルバム」
...好きな衣裳(いしょう)の一つであった亀甲絣(きっこうがすり)の大島を着て...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...忰が好きなものならば...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...前栽の萩――一昨春、黎坊とふたりで山から移植したもの――が勢よく伸びて、ぽつ/\花をひらきはじめた、萩は好きな花、どこといつて見どころはないけれど、葉にも花にも枝ぶりにも捨てがたいもの、いや心をひかれるところがある...
種田山頭火 「其中日記」
...えて『こんな』女が好きなものだから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...酒好きな雪枝は贔屓(ひいき)にしている料亭から料理を取り...
徳田秋声 「仮装人物」
...わざわざ宝蔵を開いて見せる物好きな三太夫もござるまいとあきらめています」「それもそうだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...優しくて繪が好きなものが多いと思つた...
林芙美子 「雨」
...好きなところに広々とした場所があるのに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...この世の思い出に好きな酒を一杯だけ飲ましてくれとせがむもんですから...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...さうして同じ放館にゐるスポオツの好きな或る兄妹に夢中になつてゐた...
堀辰雄 「顏」
...「僕の大好きなルルさん――」と云つて娘の手を執り...
牧野信一 「歌へる日まで」
...よほど好きなのかい」「量は二合以上のめまへんけど...
宮地嘉六 「老残」
...好きなものがどっかにいやなものもっていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...みんな好きな物を勝手におあがり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...彼女はおれが好きなのかなあ...
吉川英治 「新書太閤記」
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