...お芳の奴が喋つたなと感付く...
石川啄木 「菊池君」
...国賊逆徒、売国奴、殺せ、撲(なぐ)れと、衆口一斉熱罵(ねつば)恫喝(どうかつ)を極めたる、思い思いの叫声は、雑音意味も無き響(ひびき)となりて、騒然としてかまびすしく、あわや身の上ぞと見る眼危(あやう)き、ただ単身(みひとつ)なる看護員は、冷々然として椅子に恁(よ)りつ...
泉鏡花 「海城発電」
...大和魂を知らねえ奴あ日本人のなかまじゃあねえぞ...
泉鏡花 「海城発電」
...しぶとい奴ですよ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...こんな奴らはあくまで撲滅しなければならぬ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...代る代るいろんな奴が尾行に来ている...
大杉栄 「日本脱出記」
...人間といふ奴は、郵税が高くなると、直ぐ御無沙汰をする事を知つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...もしあの乱暴な奴らのだれかがこのことを知ったら...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...奴の面(つら)を見ろ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...私の守銭奴(しゅせんど)ぶりに...
太宰治 「春の盗賊」
...公方様の悪口を申し上げた奴がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...だから奴等は用心深く先き廻りをしてこんな晩にやるんです...
長與善郎 「青銅の基督」
...情け深くて古渡りの俳諧(へえけえ)の一つも捻(ひね)つてみようといふ――」「古渡りの俳諧といふ奴があるかい」「近頃流行(はやり)の冠附(かむりづ)けや沓附(くつづ)けぢやないから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの子もとんだ運のわるいつまらぬ奴に見込れて可愛さうな事をしたといへば...
樋口一葉 「にごりえ」
...いつも作者の領域を犯してる奴だから...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そうして奴の背骨近くの浮き袋が空気で膨れてしまえば...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...T「尋常ならば彼奴等如きの五人六人」「束になって参ろうとも……ビクとも致す...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...弦之丞の奴はとうの昔に逃げ出してしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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