...あの毅然たる中に持ちつづけた女らしい床しさこそ...
上村松園 「大田垣蓮月尼のこと」
...そこにはやっぱり彼女らしい思わくがないでもなかった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...お藤、お清、お粂(くめ)――作者の女性に対する好みは、矢張、優しい、内輪な、女らしい、犠牲に富んだ女であつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...女はまたその女らしい自負心が芽を出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...内心嫌ひなものを故(ことさ)らに褒める遊び女らしい一つの技巧に過ぎなかつたであらうか...
長與善郎 「青銅の基督」
...派出好(はでずき)の女らしいが...
夏目漱石 「行人」
...其の時刻ともなれば亭主の放蕩に女らしい愚痴(ぐち)を滾(こぼ)す事すら諦らめて了い...
西尾正 「陳情書」
...コロムビアのロンのも女らしい優艶(ゆうえん)さがあって良いと言われている(J七八三二―五)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...若い女らしい魅力が少しでもある限り...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...女らしい恥らひを見せるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いかなる辛酸がこの娘から女らしい姿態を剥ぎ取ったのだろう? 彼女は綺麗でスタイルが良かったことが分かるのだが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...私はそれに彼女がいつも父の前でのみ浮べる少女らしい微笑の下描きのようなものを認めた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...自分のなかに長いこと眠つてゐた女らしい感情が...
堀辰雄 「聖家族」
...女らしい愛嬌がちっともおありにならない...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...散々に罵って好い気で居るお金に対して女らしい恨み――何をどうすると云う事も出来ないで居て...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...十七八の少女らしい寝顔にまで回復して来た...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どうも女らしい声もふと聞えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...女らしい細心な一策をささやいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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