...他から奪ふことなくしてこれを自己の中に吸收する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その色彩目を奪ふと雖(いへども)...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...おれの遺利(ゐり)を奪ふ氣ででも――」義雄はむかツとした時...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...傾斜急にして、路なき處命を支へむとすれば、荊棘手を刺し、枯れかゝりたる薄、指の鮮血を奪ふ...
大町桂月 「妙義山の五日」
...目を奪ひ命を奪ふ「諾」と鷲 虚子句狂君は鷲の感じのする人であつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...詐僞して人の財産を奪ふものである...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...若し其夫より佳人を奪ふ者あらば...
土井晩翠 「「イーリアス」例言」
...アカイアの將士奪ふを恐れたるアイナイアース...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...雷霆のヂュウスは彼の目を奪ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その單蹄の馬奪ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...妨げなさば汝撃ち甘美の命(いのち)奪ふべし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...死もまた奪ふことの出來ない拔群(ばつぐん)の美しさは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...末期の苦惱も奪ふ由はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...本來の美を奪ふに由なく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「惜みなく愛は奪ふ」を読んだとき...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...併し此瑣事(さじ)が僕の心の安寧と均衡とを奪ふのである...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...僕の安寧を奪ふと云ふ一事である...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...ただそれだけで彼女を奪ふ理由や口實にはならないではないか...
横光利一 「悲しみの代價」
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